宮本
ぼくは、普段、岩田さんに、
「今回のは、いいんですよ」って、
あんまり言わないので、
たまに岩田さんに
「これはいいですよ」って言うと、
それがすごく効果的なんですけど。
糸井
うん(笑)。
宮本
この年末には、
「今回いいんですよ」っていうのが
いくつも続いてしまって(笑)。
糸井
またいいのか、と(笑)。
でも、今回の『ゼルダ』もいいんですね?
宮本
いいと思いますよ。
岩田
(笑)
宮本
だいぶ詰め込みましたから、
かなり濃密なものになってます。
遊園地の新しいアトラクションに行くような気分で
遊んでいただければと。
糸井
もう、新しい遊びとして。
宮本
そうですね。
岩田
いまは時間を潰すものがたくさんありますけど、
グッと向き合って気持ちを入れるような
ゲームでしか味わえないものってやっぱりあって、
その価値を、いまの時代の技術で、
究極に仕上げるとこうなります、
っていうものだと思います。
糸井
おー、なんだかもう、
無形文化財みたいになってきたね。
宮本
そういう気もしてきました(笑)。
糸井
あと、宮本作品ということでいえば、
3DSのソフトもあるじゃないですか。
宮本
はい。
岩田
11月3日に発売した『スーパーマリオ 3Dランド』、
それから12月1日に『マリオカート7』が。
糸井
で、そのあいだに『ゼルダ』?
岩田
そうですね。
Wiiの『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』は
11月23日に出ます。
糸井
ああ、やっぱりすごいですね、それは。
どれからやればいいとか、
聞かれても、困りますよね?
宮本
(笑)
糸井
うーん、個人的に、いちばん気になるのは
やっぱり『マリオ』かなぁ。
宮本
あ、『スーパーマリオ 3Dランド』は
糸井さんにいいかもしれない。
なんていうか、自分はアクションゲームが
意外に得意かもしれないって
思えるような仕上がりになってるんです。
糸井
ぼくはいままでで、
いちばん一所懸命やったのが、
『スーパーマリオUSA』(※9)なんですよ。
※9
『スーパーマリオUSA』=1992年9月に、ファミコン用ソフトとして発売されたアクションゲーム。
宮本
『スーパーマリオ 3Dランド』は
『マリオUSA』と同じ、
横スクロールのマリオですから、
同じ感覚でできると思いますよ。
あと、やめどきも自由ですから。
岩田
『スーパーマリオ 3Dランド』は
ワンステップを短くつくってるんです。
なぜかというと、3DSは携帯機だから、
電車に乗って3駅でやめる、くらいのつもりで、
最初からデザインしてるんですよ。
だから、「どうぞ通勤のおともに」、
みたいなところがあります。
糸井
ああ、興味あるなぁ。それは。
で、『マリオカート7』も
きっとおもしろいんでしょう?
宮本
『マリオカート』、気持ちいいですよ。
3D表現との相性がすごくいいんです。
糸井
あー、なるほど。
岩田
あと、やっぱり『マリオカート』は
ネットでほかの人とつないで遊ぶと、燃えますから。
糸井
じゃあ、『マリオカート』で
いよいよ3DSが本領を発揮するというか。
岩田
おっしゃるとおりですね。
だから、『スーパーマリオ 3Dランド』と
『マリオカート7』が出て、
「ああ、任天堂は3DSというハードで
こういうことがしたかったんだ」というのが
世の中の人たちに伝わるんじゃないかと
期待しています。
糸井
ああー。