これも宮本さんらしいなぁと思うんですけど、
Ｅ３^（※7）とかの発表会で
ステージの上でなにかやるじゃないですか。
そのときも宮本さん、最後の最後に・・・。

直すんですよ。

あー（笑）。

けっこう失礼なことだと思うんですけど、
舞台監督に、こうしてくださいってお願いしたり。

この間も、
オーケストラのみなさんにも言ったんですよね（笑）。
青沼さんから聞きました。

そう（笑）。
『ゼルダ』の音楽をオーケストラが演奏する
っていうコンサート^（※8）をやったんですね。

うん。

で、客席でこう、リハーサルを見てたら、
「ちょっと、まずいなぁ」と思うところがあって。
それは、演出上のことで。

お客さんとやり取りするような
パートがあったんですよ。

オーケストラの演奏の絡む演出だったんです。
で、そのパートのリハーサルが終わって、
いったん演奏をやめたときに、
タタタタと舞台へ行って、指揮者と舞台監督に
「ここはこう・・・」って言ったら、
「いや、終わってからやりますから」って言うんです。
リハーサルの時間があるからそれもわかるんですけど、
変更するならオーケストラも含めて
伝わってないといけないので、
「いや、いまでないと言えへんので、
　もうちょっと言わせてください」と言って。

おおお。

そのときに、
うちのスタッフとかもそこにいるのに
誰もなにも言わないんですよね。

はぁはぁはぁ。

観客として見てたら、わかるやろ、
ってぼくは思うんです。
それはなんとかせなあかんやろって。

うーん、わかるけど、
ま、ふつう、できないね。

（笑）

（笑）

まぁ、あのピーンと張り詰めたリハーサルの席で、
どかどかっと舞台の方に行って、
あー、ちょっとちょっと、って言うのは、
ちょっと面の皮が厚くないと、
言えないかもわからない。

うん（笑）。

けど、一生懸命なら言えるやろうって。

「必死」なら。

そうそう。
で、けっきょくその場で
ちょっとだけ修正を入れさせてもらったんですけど。

いや、宮本さんのものづくりはね、
「共感のものづくり」であるっていうふうに
わたしはよく言うんですけど、正確に言うと、
「共感のものづくり」を
宮本さんは「必死」でやるんですね。

ああ、そうですね。

というよりも、
「共感」のところやからこそ、そうなんです。
「必死」じゃないと「共感」を得られないので。

あーーー、
「必死にやらないと共感を生まない」。

うん。そうだと思う。