6. 「いろんなものをタッチしてほしい」
岩田
今回は4人同時プレイ、
バディも含めると、最大5人までが
同時に楽しめるようになりましたけど、
シリーズでは史上はじめて、
Miiで遊べるようになりましたよね。
竹本
じつは前回のWii版でやっていたときも、
試しにMiiを動かしたことがあったんです。
でも、服の色でしか見分けがつかなくて・・・。
足助
そのときの僕と竹本さんのMii、
どっちが自分なのかわからなかったんです。
岩田
こんなに違う顔なのにですか?
一同
(笑)
竹本
でも今回は、HD(※14)になったWii Uで試してみたら、
画面が広がったときに
Miiのキャラがけっこうちっちゃくなっても、
表情の違いまでわかるようになりました。
足助
HDになったおかげで、
マリオがまばたきしていることまで
はっきりわかりますしね。
岩田
Wiiのときから、マリオはまばたきしていたそうですね。
ほとんどの方が、気づくこともなかったみたいですが。
竹本
ただ、ストーリーモードでMiiを出してしまうと、
マリオの動きをしているのに、
マリオを遊んでいる気がしないんです。
岩田
『マリオ』のゲームではなくなってしまうんですね。
竹本
そうなんです。
そこで、ストーリーモードでは
いつものマリオたちでプレイすることにして、
Miiでプレイするときは
「With Mii Mode」という分類にして、
「おだいモード」と「ブーストモード」と
「コインバトル」の3つのモードで
遊べるようにしました。
岩田
「主役がマリオであることは変えない」
ということですね。
やっぱり、マルチプレイをMiiで遊ぶと、
けっこう盛り上がるんでしょうね。
足助
そうですね。
ファイアボールが自分に当たると、
「痛っ!」とか思わず声が出たりしますし。
岩田
ああ、Miiは“自分の分身”
という思いが強くなるんですね。
竹本
はい。それに、前作のときは
「ルイージは誰だっけ?」みたいに
頭のなかが混乱することがありましたけど、
今回は明らかに足助さんのMiiですから、
「足助さんだけには勝たさへん」
みたいなことも起こります(笑)。
一同
(笑)
竹本
本当に人と遊んでいる感じが
今回はとくに出せたように思いますね。
岩田
ところで・・・手塚さん?
手塚
あ、はい?
岩田
今日はオブザーバーとして
手塚さんにも同席していただいているのですが、
手塚さんがやりたかったことは、
今回、できた気がしますか?
手塚
えーと、そうですね。
「幅広い人たちに楽しんでいただけるゲームになった」
という手ごたえを強く感じています。
それにマルチプレイも、Wii版のときとは
「違う楽しみかたができるんじゃないか」と思います。
多人数で遊ぶときは、
ふつう「声が出る」ものですけど、
今回は「声をかけ合う」ことが必須になるんです。
岩田
「声が出る」のと「声をかけ合う」のとでは、
似ているようで、ぜんぜん違いますよね。
手塚
「マルチプレイがより楽しくなった」と思います。
岩田
わかりました。
では最後に、お客さんへの
オススメのメッセージをお願いします。
足助
今回はマップがつながったことで、
大きい地図をいつでも歩いて
行き来することができるようになりましたけど、
そのマップ上では、ちびヨッシーを仲間にしたり、
アイテムを手に入れることができたり、
敵がいて、歩くのをジャマしてきたりと、
マップを歩くだけでも
いろんな発見があると思います。
岩田
ただ移動するじゃなくて、
マップも遊びになっているんですね。
足助
はい。さらに『Miiverse』のコメントを読みながら
遊ぶこともできますので、
ぜひ「マップを楽しんでほしい」と思っています。
岩本
僕は今回、『マリオ』の開発にかかわるのは、
『スーパーマリオ64』(※15)以来なんです。
ですから『マリオ』というゲームのメインは
「ストーリーモード」と思っていたんですけど、
今回、それ以外のモードがすごく充実していますので、
「それぞれの楽しみかたを見つけてほしい」、
そう思っています。
岩田
いろんな人が楽しめる
「“遊び場”を用意できました」
ということなんですね。
岩本
そうですね。
手塚
それから、今回は「追加コース」も考えていますし。
岩田
3DSの『Newマリオ2』と同じような
「追加コース」のことですね。
手塚
そうです。
でも、今回は『Newマリオ2』とはまた違ったかたちで
みなさんに遊んでいただけるようにしようと思っています。
ただ・・・まだ何もつくってないんですけど(笑)。
岩田
はい、事前につくったものをあとから配信するんじゃなくて、
これから決めるんですよね。
手塚
はい。コースを追加できる仕組みはすでに組み込んでいるので、
どのような内容になるのかは、これからのお楽しみということで・・・。
岩田
はい、わかりました。
では、竹本さん。
竹本
僕は今回、たくさんの人たちに苦労をかけながらも、
自分の入れたかったことを実現できたことに
とても満足しています。
とくに「バディプレイ」のモードは、
ゲームに苦手意識のある人でも
楽しめるようにつくったつもりです。
岩田
Wii U GamePadだと、
複雑なボタン操作は不要で、
タッチするだけで楽しめますからね。
竹本
はい。なので、いろんなものに
タッチして遊んでほしいです。
岩田
ブロックが置けるだけじゃないんですよね。
竹本
そうです。
タッチすると動いている仕掛けが止まったり、
パックンフラワーが引っ込んだり、
ノコノコがポコッとひっくり返ったりしますので、
いろんなものをタッチすることで
その反応を楽しんでほしいですね。
岩田
言葉が理解できないような
小さなお子さんも、今回は楽しめますね。
竹本
はい、大丈夫です(笑)。
岩田
わたしは、今日のお話を訊いていて、
「いろんな要素のピースが、ピッタリときれいにハマって、
しかも、ボリュームたっぷりのゲームになった」
という印象なんですが、
手塚さん、これは計算どおりなんですか?
手塚
そうです、バッチリです。
一同
(笑)
岩田
ただ、「計算どおり」とは言っても、
最初に計算して、思ったように実現するときと、
じつはそこまで計算をしていたわけじゃないけれど、
そこに何かがある気がして、
結果として実現する場合がありますよね。
いわば宮本さんが言うところの
“デカの勘”みたいな。
手塚
あ、だったら、後者ですね。
一同
(笑)
岩田
そもそも手塚さんにとっても、
『Newマリオ2』と『NewマリオU』の
2作の『マリオ』を同時につくるのは
はじめての体験でしたから。
手塚
はい、そうですね。
岩田
ピークもけっこう重なっていましたしね。
手塚
でも、そこはうまくバランスをとりながら
対応するようにしていました。
Wii U版に重点を置いているときは
3DS版のほうは少しお休みして、
ある程度落ち着いたら、もう一方を見て、
みたいなことを繰り返していましたので、
ものすごく大変ではなかったです。
ただ、長丁場でしたね・・・。
足助
やっぱり手塚さんがいちばん大変でしたよね。
岩本
そう思います。
でも、そんな状況にありながらも、
手塚さんは疲れたような表情を一切せずに、
いつもニコニコと、楽しそうに
仕事をされていたんです。
そういうことも、ゲームの中身に乗り移って
お客さんに伝わりますから、大切なことですよね。
手塚
あ、ほめられちゃいました(笑)。
岩本
その姿を見て
「さすがだなー」と思いましたから。
手塚
ふふふ(笑)。
岩田
みなさん、本当に長い間、お疲れさまでした。
ありがとうございました。
一同
ありがとうございました。