Wiiウェアと呼ぶサービスです。 これは、懐かしのクラシックゲームをダウンロードするバーチャルコンソールに対し、店頭で販売されていないWiiの新作ソフトをダウンロード購入できるようにするものです。


家庭用ゲーム機の市場が誕生し、まもなく四半世紀が経過しようとしていますが、当初は誰もが小さいリスクで参入できたゲームソフト開発は時代と共に大きく変わり、今では優れたアイディアがあっても、巨大化したリスクを負うことができずに形にならないという状況が増えています。 パッケージ販売がこれからもこの業界の重要な販売方法であることは間違いありませんが、その一方でその価格付けの弾力性には限界があり、そのためゲームボリュームの弾力性を十分に持つこともできません。本来はゲームボリュームだけがソフトの価値ではないはずですが、お金を出して購入するお客様の立場で考えれば、パッケージソフトなりのボリュームを自然と求めてしまうこともまた事実です。このような環境では、『テトリス』のようなシンプルで多くのお客様に愛されるソフトが新たに世に出るチャンスがほとんどなくなってしまいます。 Wiiウェアは、パッケージソフトを補う新たな販売方法の確立が必要であるという考えで準備を進めてきたものです。


Wiiウェアは、メーカーの規模に関わらず「アイディア」を優先させたバラエティあふれるゲーム開発の機会を作り出すと共に、ソフトの内容に応じて柔軟な価格付けを可能にすることで、ソフトをお求めやすい価格でお客様に提供するための新しい試みです。また、在庫の制約がなく、在庫切れによる機会損失もありません。既にバーチャルコンソールが同様の仕組みで実績を上げており、お客様も店頭でWiiポイントプリペイドカードを購入して、自宅でソフトをダウンロードすることに徐々に慣れてこられています。私はゲーム開発者出身ですが、ここでアイディア勝負の土俵を用意することは、未来のゲーム開発人口の拡大にとっても、大きな意味を持つと考えています。 ダウンロードしたソフトは、バーチャルコンソールと同様に、Wii本体の内蔵メモリに格納され、Wiiメニュー上からチャンネルの1つとして起動できます。


最初にご紹介するのは、『ポケモン牧場チャンネル』です。『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』をお持ちのお客様がゲーム内で捕まえた手持ちのポケモンをDSとWiiの間の無線通信を用いて、この牧場に放ち、Miiと一緒にいろいろな遊びを楽しむためのソフトです。もし、『ダイヤモンド・パール』をお持ちでなくても、Miiとポケモンのふれあいが楽しめるようになっています。 また、牧場の写真を撮って友達に送ることによって、自慢することもできます。


そのほか、バンダイナムコさんから、『ことばのパズルもじぴったんWii』、ハドソンさんから『スターソルジャーR』、任天堂からは、新機軸のパズルゲーム『まるぼうしかく』、そして、『みんなでパズループ』、『DR.MARIO&細菌撲滅』などを予定しています。細菌撲滅は、もっと脳を鍛えるソフトに内蔵されていましたから、ある意味、日本のシニアユーザーに最も知名度のあるパズルゲームかも知れません。そういう方が、Wiiでゲームを始めるきっかけになることを期待しています。Wiiウェアへの取り組みに対しては、海外を含めますと、既に100タイトル以上のご提案をいただいております。この中には、従来、家庭用ゲーム機向けソフトの開発には参入しておられなかった会社さん、あるいは従来開発はされていても、ソフトの発売はほかの会社に委ねていたような例も少なからず含まれています。いろいろな方々に、新しいビジネスチャンスを提供することができるのではないか、という手応えがあります。