岩田 |
本体機能を決める会議では、
どういったことから話し合われていったんでしょうか。
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黒梅 |
いや、もう、ほんとうにいろんなことを(笑)。
たとえば、文字入力はどのスタイルがいちばんいいのかということで、
『どうぶつの森』方式を試してみたり、
画面にフルキーボードを出してみたり、
携帯電話のスタイルを取り入れてみたり……。
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玉樹 |
純粋に、「起動をもっと速くできないか」という技術的な話を
延々と話し合ったりもしていましたね。
この画面であと何秒稼げるか、とか、そういう話を。
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青山 |
そういう話をくり返していく中で、
徐々にコンセプトがはっきりとイメージできてきたんですが、
それはやはり「家族全員で触るものだ」ということでした。
だとすると、家族の誰も敵にしてはいけないし、
家族の中に「よくわからない」とか
「自分と関係ない」とか感じる人がいてはいけない。
これまでのゲームという娯楽でありがちだった、
何か気に入ったゲームがあったら何時間でも遊ぶけれど、
それをクリアーしてしまったら生活からなくなってしまう、
というものであってはいけないんだろうな、と。
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玉樹 |
ひとりが好きなゲームを好きなだけ遊んでいるだけでは
家族みんなに触ってもらえないし、
ゲームをやっていない人がどんどん巻き込まれるということが
起こらなくなってしまうんですよね。
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青山 |
ですから、とにかく、「全員に触ってもらうこと」、
そして、「毎日電源を入れてもらうこと」、
そのコンセプトから離れないようにということで
話し合っていきました。
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岩田 |
たとえば、いま残っている仕様の中で、
いちばん最初に形になったものがなんだったか覚えていますか。
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