6. オススメのコースが盛りだくさん

岩田

最後に、ネタバレにならない範囲で、
みなさんお気に入りのコースを紹介していただきたいと思います。
それをビデオ映像にして、ここをお読みの方々にも
ご覧いただけるようにできればと思いますので。

カイナン

→トロッコのコースが好きで、
とくに「どうくつエリア」のトロッコのコースの
「C」の形のような輪っかを走るのがお気に入りです。

岩田

ジャンプして走るのがとても楽しいんですね。
わかりました。それではマイクさん。

マイク

わたしのお気に入りはいくつかあるのですが、
そのひとつは跳びはねるアクションです。
たとえば赤い花があって、その上をトランポリンのように
跳ね上がったりするんですけど、
→跳ねながらバナナを取ったりするのが、すごく楽しいんです。
それともうひとつ、敵のカバもすごくお気に入りです。
そのカバは、ジャングルの樹の上のコースで登場するのですが、
→木の電柱につかまって、にょきっと出てくるんです。

岩田

どうしてカバが電柱にいるんですか?(笑)

マイク

いちばん最初は、ジャングルの樹の下のほうから、
何かがにょきっと出てきて、それをドンキーコングが踏みながら
進んでいくようなコースを考えていたんです。
すると、誰のアイデアだったか忘れましたけど、
そのキャラクターをカバにしたらいいんじゃないかと。

岩田

でも、ジャングルの木の上にカバが出てくるのは変ですよね(笑)。

マイク

そこで、電柱につかまらせたらいいんじゃないかと(笑)。

岩田

え?ああ、なるほど(笑)。

マイク

デザイナーが、とても愛嬌のあるカバに
仕上げてくれましたので、ぜひ楽しんでほしいですね。

トム

わたしのお気に入りは
→クモに追いかけられるコースです。

田端

「だっしゅつ!虫のやかた」ですね。

トム

あのコースでは、いろんなものが同時に動いていたり、
壊せたりするものがたくさんあって、
しかもクモの大群が迫ってくるという、
とても計算された要素があってとても気に入っています。
また、従来の『スーパードンキーコング』にあった、
スリリングな要素もうまく再現できているのではないかと思います。

岩田

田端さんはどうですか?

田端

トップ3を言っていいですか?

岩田

はい、どうぞ(笑)。

田端

まず第3位!
→サンセット海岸」と言われているところなんですけど、
このコースを初めて見たときに、思わず「すごい」と
声がもれた覚えがあるんです。なので、そこはすごく印象的です。
第2位は「→くいしんぼ マグリー」というところです。
いまだにイライラすることがあると、
このマグリーというボスをぼっこぼっこに倒して楽しんでいます。

岩田

田端さん・・・いま、しれっとスゴイことを言いましたね(笑)。

田端

あは(笑)。でも、すごく楽しいんです、闘うのが。
それで第1位なんですけど、わたしが全部のコースを見たときに、
すぐに遊びたくなるのはどこかと考えると、
「空とぶティキドリー」というコースがありまして・・・。

田邊

でも、あそこはちょっと難しいコースだよね。

田端

難しいんですけど、足場がいろんな動きをするので、
何度でもチャレンジしたくなるんです。
ですので「→空とぶティキドリー」が
わたしにとってのNo.1です。

田邊

僕は→ロケットバレルを使うコースが好きです。
これまでのシリーズにはなかったアクションで、
Aボタンひとつだけでジェットを噴射して、操作できるんです。
ロケットバレルはいくつかのコースで登場しますけど、
とくに歯車の間を縫って飛ぶ「スリル!ギアフライト」と
コウモリが出てくる・・・。

田端

「コモリンのどうくつ」ですね。

田邊

この2つがとくにロケットバレルのなかでも難しいんですけど、
それだけにやりがいがあって燃えます。
僕からのオススメはその2カ所です。

岩田

ありがとうございました。
それでは最後にお客さんへのメッセージをお願いします。

カイナン

今回、たくさんのいろいろな要素を入れられたことは
チームとして誇りに思っていることです。
ふだんはあまりゲームを遊ばれていない方にとっても、
すごく楽しめるゲームになりましたし、
コアなファンの方にとっても楽しめる要素を入れることができました。
わたしたちはいままで『メトロイドプライム』をつくってきましたが、
あのシリーズに入っていた要素よりも
今回はかなり多くのものを入れることができたと感じています。
ですから、ぜひとも多くのお客さんたちに
自分たちが注いだ情熱やエネルギーを、
このソフトでたっぷり感じていただきたいですね。

マイク

今回は、わたしたち『ドンキーコング』ファンが、
『ドンキーコング』ファンのことを想いながらつくったゲームです。
それに完成した後も、チームのみんなと遊んでいるくらいですので、
みなさんにもぜひ楽しんでいただきたいです。

岩田

自分たちのハードワークで仕上げたゲームを、
開発が終わっても、チームのみんなと遊ぶことができて、
それがまだ楽しいと言えるのは、素晴らしいことですよね。

マイク

はい。

トム

まず、このチームで開発ができたことを誇りに思っています。
そして、みなさんにもぜひ楽しんでほしいと
自信をもって言えるゲームになりました。
いろいろ歩き回って隠し要素を見つけたり、
タイムアタックではよりいいタイムを狙ってほしいですし、
何より、お客さんの反応をいちばんの楽しみにしています。

岩田

それが開発者にとっていちばんのご褒美ですよね。

トム

はい。

岩田

田端さんはどうですか?

田端

わたしはこれまで
『メトロイドプライム』シリーズなどに関わってきましたので、
両親に「これをつくったんだよ」と言うと、
「すごいね!」とは言いながらも、2人ともちょっとだけ
引き気味だったんです。

岩田

(笑)

田端

でも、今度の『ドンキーコング リターンズ』は、
わたしといっしょにコントローラを握ってくれると思いますし、
それが親孝行になるかなと思っています。

田邊

任天堂にとっても、ゲーム業界にとっても、
ひとつの記念碑になるようなプロジェクトに関わることができて、
しかもレトロスタジオといっしょに、その仕事ができたことに
感謝をするとともに、誇りに思っています。
また、今回の『ドンキーコング リターンズ』は、
過去の『スーパードンキーコング』シリーズと同じように、
新しく遊ぶ人にとっても、記憶に残るゲームになって、
さらに数年後に、楽しい思い出を同じように語られるようになると、
すごくうれしいなと思います。

岩田

さて、日本ではそろそろ正午を迎えようとしていますが、
地球の裏側に位置するテキサス州との時差は15時間ですので・・・。

田端

いまは夜の9時ですね。

岩田

そのくらい時差のある地球の反対側で、
歴史あるフランチャイズをあずかっていただいて、
「レア社がつくっていなくて大丈夫なの?」
「レトロスタジオはキーになるスタッフが抜けても大丈夫なの?」と
言われた不安を、すべて吹き飛ばすようなゲームができたように
わたしは手応えを感じています。
 
あるいは
「2人で遊ぶ『ドンキーコング リターンズ』はどうなのか?」とか、
「Wiiでつくったらヌルくなっていないのか?」ということも含めて、
いまだからつくれるゲームがちゃんとできたと思います。
いろんな意味で、仕掛けとか要素の密度が
とても濃いゲームになっていますしね。
 
なので『スーパードンキーコング』に思い出のある人、
『New スーパーマリオブラザーズ Wii』の次のゲームを遊びたい人、
横スクロールのアクションゲームが好きな人、
親子で遊べるゲームを探している人、
チャレンジングなゲームを克服することに対して、
強いやりがいを感じる人、
それぞれみんなが楽しめる要素が
このソフトにはあるんじゃないでしょうか。
 
ハードワーク、お疲れ様でした!

カイナン

このプロジェクトに参加させていただき、ありがとうございました!

岩田

これをご覧になった人に
たくさんの興味をもっていただけるといいですよね。
どうもありがとうございました。
遅い時間にこのインタビューにご協力いただき
ありがとうございました。

カイナン

そうでもありません。朝の5時に比べれば(笑)。

岩田

(笑)。
今度は直接会いましょう。