岩田
16種類のゲームの中で、
みなさんのいちばんのお気に入りは何ですか?
森
わたしは『ゲーマー』です。
阿部
やっぱり『ゲーマー』ですよね。
坂本
僕もおんなじです。
岩田
ええっ、全員がオススメなんですか?(笑)
森
とにかく怖いゲームなんです。
岩田
・・・怖いんですか?
『メイドインワリオ』って、あまりのバカバカしさに
笑いながら遊ぶゲームですよね?
それが「怖い」というのはどういうことですか?
阿部
『ゲーマー』は、手元のWii U GamePadで
『メイドインワリオ』のプチゲームを遊ぶんです。
で、テレビのほうには自分の部屋が映っていて、
お母さんが部屋の外から監視しているんですけど、
もし見つかりそうになると、
ゲームを中断して、寝たふりをするという・・・。
坂本
それで、お母さんに見つかると、
即ゲームオーバーです(笑)。
森
たとえば、実際にクルマを運転していると、
事故を起こしそうになったときにドキッとして
全身がビリビリッとする瞬間ってありますよね。
お母さんに見つかりそうになったときって、
まさにそんな感じなんです。
岩田
そこまで言いますか(笑)。
阿部
いえ、本当にそれくらい怖いんです。
その怖さというのも、ホラーゲームのように
グラフィックの演出とかで出すのではなく・・・。
岩田
もともとチープな絵ですからね(笑)。
阿部
でも、それでも怖いんです。
それはWii U GamePadとテレビの
2画面があるからこそ実現できたと思うんですけど、
最初はすごく怖いのに、そのうち笑いにもなるんです。
だから、怖さと笑いって、けっこう・・・。
岩田
たしかに怖さと笑いというのは、
表裏一体なところがあって、極限までいくと、
ほとんど同じようなものになるらしいですね。
阿部
「そういうことが今回は実現できた」
という手ごたえを感じています。
坂本
そもそも僕は、この『ゲーマー』の
プロトタイプ(試作)を見せてもらったとき、
まっさきに「これや!」って言ったくらいなんです。
森
わたしも坂本さんの声を聞きましたから。
『ゲーマー』で遊びながら
「うひょうひょ」言うのを(笑)。
岩田
「うひょうひょ」ってどういうことですか(笑)。
一同
(笑)
森
わたしは席が遠かったんですけど、
近くの席のスタッフが盗み聞きをしていて、
坂本さんが
「ついにやりたかったことが、できたぞーっ!」
みたいなことを言ってくれたと聞いて、
ものすごくうれしかったです。
岩田
坂本さんの反応を、
ゲームの善し悪しのセンサーとして使っている
阿部さんとしては、すごくありがたい瞬間ですね。
阿部
はい(笑)。
坂本
実際、画期的なゲームだと思いました。
だから、自分が『ゲーム&ワリオ』に
注ぐべきパワーの8割、9割を
この『ゲーマー』に注ぎ込んだくらいです。
森
はい、そんな感じでした(笑)。
坂本
「これを磨けばもっとおもしろくなるはずやし、
画期的なゲームになるねんから、
絶対に妥協したらあかん!」と。
「これを世に出す時には、
ベストな状態まで持っていこう」
ということにはかなり、こだわりまして・・・
というか、阿部さんにがんばってもらいました(笑)。
阿部
(笑)
坂本
だから、みなさんにぜひ遊んでいただきたいです。
まっさきに遊んでほしいんですけど、
すぐには出てこないもんね?
阿部
ま、ちょっと遊ぶと出てきます。
坂本
本当にあれはいいと思いますし、怖いですよ。
きっとビックリしますよ。
岩田
はい(笑)。ほかにオススメは?
阿部
僕は『パイレーツ』です。
テレビ画面の中の海賊船から飛んでくる矢を
Wii U GamePadで受けるというゲームなんですけど、
もともとの発想は、
「テレビから飛んできたものが、
手元に飛んでくるという臨場感を味わえないだろうか」
と思ったことなんです。
岩田
まさに、Wii U GamePadが
あるからこそできる遊びなんですね。
阿部
ただ、お客さんによって、テレビの大きさとか、
Wii U GamePadとテレビの距離が違ってきますので、
矢が飛んでくるタイミングを
リズムで合わせるようにしました。
ゲーム自体もそんなに難しくはしていなくて、
「いかに音楽のリズムにのって、
体を動かしたら気持ちがいいのか」
という方向に持っていきました。
なので、ゲームセンターのような場所で
大きな装置を用意しないと遊べないようなことも、
この『パイレーツ』によって、家でもけっこう手軽に
できるようになったんじゃないかと思います。
森
わたしのオススメは『スキー』です。
わたしはファミコン世代なので、
複雑な操作ではなく、シンプルな操作感で楽しめて、
やり込めばやり込むほどうまくなっていく
『スキー』がオススメです。
で、プレイヤーはWii U GamePadで
シンプルな操作をしているんですけど、
テレビ画面にはすごくリッチな映像を流すという、
この無駄遣いがすごくいいんです(笑)。
岩田
あえてこう言いますが、ゲームを遊んでいる人が
手元のWii U GamePadでプアな絵を見ていて、
周りの観客の人たちはテレビに映るリッチな絵を見ている、
というヘンなゲームなんですよね。
阿部
だから、遊んでいる人が、
ほかの人に遊んでもらいたくなるという(笑)。
岩田
「誰か代わって、おれに絵を見せてくれよ!」
みたいな感じですよね(笑)。
阿部
はい。そこをめざしました。
坂本
またまたかぶってしまいますけど、
僕も『スキー』がオススメです。
それも「ときめきシュプールフォーエバー」のほう。
これ、お姉さんを連れてスキーで滑る、
エンドレスゲームなんです。
ゲレンデにいるお姉さんに近づくと、
「ホォ」みたいに、ちょっと色っぽい声を出して
そしたら自分についてくるんです。
それで9人のお姉さんを引き連れて、ゴールして・・・
(うれしそうに)それがもう、楽しくて(笑)。
岩田
あははは(笑)。
坂本
で、『スキー』の中のもうひとつのゲームは
「シングルレース」といって、
けっこうマジメなレースゲームっぽいもので、
僕はそれ、ヘタなんです。
でも、お姉さんが出たとたん、うまくなるんです(笑)。
一同
(笑)
坂本
自分でも恐ろしいくらいに変わります。
岩田
坂本さんを変えるものは
いったい何なんでしょう?
坂本
何なんでしょう(笑)。
でも、なぜかお姉さんが出てくると
「おれ、うまいなあ」と思えるんです。
一同
(笑)
坂本
ほとんど9人、連れていけます。
(しみじみと)ほんとにあれ・・・好きですねぇ。