社長が訊く
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社長が訊く『スーパーマリオ 3Dワールド』

社長が訊く『スーパーマリオ 3Dワールド』

目次

4. 時間が解決したこと

小泉

「カワイイ」の話で思い出したんですけど、
キノピオはもともと見た目が地味だったんですが、
今回、ネコ耳になると見た目のバランスもかわいくなるし、
ダッシュも速くて使えるので、
すごく魅力的なキャラクターになった1人なんです。

岩田

はい。こんな言いかたをすると
ファンの方には失礼かもしれませんが、
キノピオは意外にも人気があるキャラクターですよね。

小泉

はい。そんなキノピオをフィーチャーする遊びも
今回入っていて・・・。

林田

『マリオギャラクシー』から引き続いて、
「ツッタカター、ツッタカター♪」の
キノピオ隊長が登場するゲーム、
「キノピオ隊長の冒険」ですね。

岩田

それはどんな遊びなんですか?

林田

Wii UのWii U GamePadのジャイロカメラを使って、
隊長を移動させながら、そのコースにある
5つのグリーンスターを集める
パズルゲームのような遊び
になっています。
これは、自分でカメラを操作するという
3Dマリオらしい遊びを
お客さんに体験してもらいたかったんです。

岩田

3Dマリオの楽しさへ、お客さんを誘うわけですね。

林田

はい。ちなみに、
今回の隊長はリュックを背負って
重くてジャンプできないので、
クリボーのような敵ですらいきなり強敵に豹変するんです。

林田02

岩田

踏めないじゃないですか(笑)。

林田

そうですね、避けないといけない。
そこが意外に、新鮮でおもしろいんですよ。

宮本

あれは、完成する前に提案されたら、
「ジャンプできないなんてダメ」って
言ってたかもしれませんね。
マリオの中ではあきらかに異質ですから。

岩田

たしかに。

宮本

でもこれも「おもしろいからいいか」と
思ったんですね。
「全編通してマリオらしいデザインを」って
かたくなになってしまうと、
けっこう飽きてしまうところもあるので。

岩田

でもそこは『マリオギャラクシー』の時から、
世の中に受け入れられて、広がった感はありますよ。

宮本

それで今回は、コースもだいぶ
これまでのものとは毛色の変わったものが、
中盤あたりからちょこちょこ出てきます。

林田

そうですね。和風のコースとか、
『マリオカート』(※16)風のコースとか・・・。

※16
『マリオカート』=最新作は2011年12月に発売されたニンテンドー3DS用レースゲーム『マリオカート7』。

岩田

和風のコースですか?

林田

タタミや障子(しょうじ)がありまして、
Wii U GamePadの画面をタッチして
障子を開けていきます

岩田

ははは(笑)。

元倉

コースの制作者がそれをやりたくて、
つくりはじめたコースです(笑)。

宮本

和風なのに中華風の銅鑼(どら)があるんです。
「外国から見たまちがった日本」みたいな感じで、
なんか怪しげなんですよ。

岩田

まあ、日本人が普通につくってしまうと、
単にローカルなものになってしまいますからね。
もうひとつの『マリオカート』風コースは
どんな感じなんですか?

元倉

あれは最初、ダッシュパネルを設置していて、
最終的にコースとして整えるときに、
「モチーフをどうしようか」
という話になって、せっかくなら・・・。

岩田

「『マリオカート』にしちゃえ」と?

元倉

はい。いただいてしまいました。
共感のためです(笑)。

宮本

遊んでると「これ『マリオカート』だっけ?」って
なりますよね。BGMまで同じだから。

岩田

BGMも借りてきたんですか。
まあ、同じ会社ではありますけれど(笑)。

林田

はい(笑)。そういう遊びはこれまでは
エンディング後がいいかなと思っていたんですが、
今回はけっこう前面に出していこうと。

岩田

じゃあ、エンディング後のお楽しみは
別にちゃんとあるわけですね。

林田

そうですね。今回はロゼッタ(※17)
エンディング後にプレイヤーキャラクターとして
使えるようになります。

※17
ロゼッタ=『スーパーマリオギャラクシー』シリーズに登場している女性キャラクター。

岩田

へえー! あのロゼッタですか。
誰が強く、ロゼッタを推したんですか?

小泉

いや、たぶん僕だと思われるんでしょうけど(笑)。
これは元倉さんが「入れたいです」って
僕のところに来たんですよ。

岩田

元倉さん、なぜロゼッタを?

元倉

やっぱりエンディング後のお楽しみに、
「どんなことが喜ばれるかな」と考えたときに、
ピーチのほかに
女性キャラクターをもう1人増やしたいなと
思っていたんですね。
そこでロゼッタなら『マリオギャラクシー』ファンの
方々から支持もありますし、
最近は『マリオカート』にも登場していて、
知名度的にも申し分ないかな、と。

元倉03

宮本

『マリオギャラクシー』に最初出たときは、
「ピーチがいるのになぜロゼッタがいるのか」
って、僕はちょっとこだわってたんです。
それで「『マリオギャラクシー』の中だけなら」ということで、
ちょっと大きくて、とか設定してたんですけど、
いつの間にか『マリオカート』の重量級キャラとして
レギュラーキャラになって、サイズも普通に・・・。

岩田

ああ、「時間が解決する」って、
こういうことを言うんですね。

宮本

いま思えば「何にこだわってたんやろ」って。
未熟でした(笑)。

林田

今回のロゼッタは、スピン攻撃という
特殊な能力がある
ので、
普通に使っても強く
楽に進めるキャラクターになっています。

岩田

ゲームクリア後の探索に、オススメですか?

林田

はい。ただしネコに変身すると
スピン攻撃はなくなってしまいます。

岩田

えっ、変身するとむしろ能力が落ちちゃうんですか?

林田

そうなんです。でもネコに変身すると
ちょっとおもしろいキャラクターになってます。
黒ネコになるんですけど。

岩田

なんと、まあ・・・。

元倉

小泉さんから「黒じゃないとね」という
要望がありまして。

岩田

やっぱり、小泉さんじゃないですか。

一同

(笑)