6. 「白黒ハッキリさせる」
岩田
ところで、amiibo(※18)の評判が
とてもいいようですね。
野上
amiiboは、井上さんが全面監修をしたんです。
井上
お願いしたフィギュアの原型師さんが、
とてもいい型をつくってくれたんです。
どの角度から見ても問題のないように
ポーズをつくってくれました。
「イカ」のフィギュアだけは、
インクの表現が難しかったので
自分でモデリングしてつくったんですけど。
岩田
amiiboの実物を見た社内の関係者は
みんな「いい」と言ってますよね。
野上
僕はプラモデルとかフィギュアとかが
すごく大好きなんですけど、
自分で見ても「これよくできてるなあ」
と思ったくらいですから。
井上
それは、『スプラトゥーン』の
キャラクターが、立体にしたときに
映えるようなデザインだったことも
功を奏していると思います。
岩田
豆腐じゃなくてよかったですね(笑)。
井上
はい(笑)。
岩田
では、最後の質問をします。
お客さんに、『スプラトゥーン』の
オススメポイントをひとことずつお願いします。
佐藤
「色を塗りあう」という、
シンプルな遊びなんですけど、そこから無限に
いろんな戦いかたが生まれてきて、
いろんな工夫が楽しめますし、
ずっと遊んでいられるというのが
いちばんのオススメポイントです。
岩田
1ターンがあんまり長くなくって、
ずっと遊んでいられる感があるのがいいですね。
佐藤
はい。なので、ぜひオンラインで、
一緒に遊びましょう(笑)。
岩田
はい(笑)。
では、井上さんお願いします。
井上
デザインについてお話ししますと、
担当するスタッフが好きなものを、
あまり整えたり丸めたりせず、
なるべくそのまま出してもらっています。
阪口
ステージの装飾でも、
スタッフの趣味が出てるんですよね。
井上
はい。
たとえば壁にステッカーが貼ってあって、
誰か好きでそこに貼ったということが伝わってくるような
貼りかたになっていたりします。
そういった、「誰かが大好きなもの」で、
世界を埋め尽くしていますので、
細かいところも見ていただけるとうれしいです。
野上
インクを塗ることだけに夢中になるのでなく、
ちょっとしたところでも、
おもしろがっていただけるといいですよね。
井上
はい。
阪口
僕のオススメポイントは
プレイヤーの操作まわりです。
「これには自信があります」
と、胸を張って言えるくらい、
ツルツルに磨き上げましたので、
ぜひ触って、確かめてほしいと思います。
岩田
すごく細かいところまで調整したんですね、
プレイヤーの操作性を。
阪口
はい。
あと、1人用の「ヒーローモード」もしっかりつくっています。
操作は同じなんですが、オンライン対戦とは毛色を変えて、
昔のレコードで言う「B面」(※19)的なイメージにしています。
期待を裏切らないものにはなっていますので、
ぜひそっちも楽しんでほしいです。
佐藤
両A面と言っていいんじゃないですか?
阪口
まあ、いろいろ秘密にしておきたいので、
あまり言えないのですが、
内容としては両A面かなと(笑)。
天野
あと、1人用モードは
エンディングがすごくいいですよね。
阪口
そうそう(笑)。
天野
内容はナイショなんですけど・・・
1人用をクリアして、ぜひ見てほしいなと思います。
さっき、野上さんが言っていた
いちばんの“悪ノリ”の部分が、
あのエンディングには入っていますので。
あと僕が強くオススメしたいのが、
いろんな「ブキ」を使ってほしいということです。
もし特定の「ブキ」だけを使い続けていたら、
相手の「ブキ」の特性もわかりませんし。
岩田
「敵を知ることが勝利への近道」
ということですね。
天野
そうです。「ブキ」と「ブキ」、
「ブキ」と「ステージ」というように
かけ算で遊びが広がるようにつくりましたので、
可能な限りすべての「ブキ」を体験してほしいです。
すると、このゲームのボリュームと深さを
たっぷり感じていただけると思います。
岩田
では最後に野上さん。
野上
オススメというより、じつはこのゲームで、
こういうことが起こらないかな、と
密かに期待していることがありまして・・・。
中学生や小学生の高学年のような
若い人たちにも、このゲームを遊んでほしいんですけど、
家で遊んでいる姿を、後ろから見ているお母さんが
自分でも遊びたくなっちゃうんじゃないかって・・・
けっこう期待しているんです。
岩田
このゲームは、後ろから見ているだけでも
「自分も遊びたい」という気にさせられますよね。
野上
なので、子供さんの外出中に、
お母さんがこっそり遊んで、
すごく上達するようなことが起こったら
おもしろいなあって思っていて、
そのくらい、いろんな世代の方に
楽しんでいただけるようなものが
今回はできた、という手ごたえを感じています。
岩田
イカ研究所の研究員(※20)の奥さんも
遊んでくれそうですか?
野上
あ、はい(笑)。じつは・・・
僕の、いや、研究員の奥さん、
ゲームがものすごくうまいらしいんです。
岩田
毎日ゲームをやっている人よりも上手なんですか?
野上
ええ。『マリオカート8』(※21)をやっても、
ぶっちぎりで負けちゃうくらいですから(笑)。
一同
(笑)
岩田
研究員の奥さんのような、
ゲームがうまい人じゃなくっても、
「インクを塗るのが楽しい」とか、
シューターというゲームになじみがなくても
「すごくおもしろい」と言ってもらったりと、
いろんな人たちに、さまざまな感想を持ってもらえたら
うれしいですよね。
野上
そうですね。
岩田
ところで、
先日、「完成披露試射会」(※22)というものを
行いましたが、反響はいかがでしたか?
野上
大きな反響をいただきました。
みんなで一斉に「さあプレイ開始」というのが
すごく新鮮で、お祭りのような感覚でした。
岩田
ニコニコ生放送も好評だったようで、
単なる体験イベントではなかったということですね。
野上
はい。まだ体験されていない方は、
「完成披露試射会 アンコール!」(※23)がありますので、
ぜひこの機会に参加いただければと思います。
ちなみに、ゲームのなかでも
このようにみんなで一斉にプレイをする、
お祭りのような仕組みを入れています。
「フェス」と呼んでいるんですけど、
たとえば、
「朝食はごはんが好き? それともパンが好き?」
というお題を出して、
ごはん派とパン派の2つの陣営に分かれて
対戦をしてもらいます。
1回の対戦は4人対4人なんですが、
24時間対戦した結果を合計して、
総合的な勝ち負けを決めるというものです。
岩田
「朝食はゴハンに決まりました」
みたいになるんですね。
野上
はい、そうです。
阪口
この「フェス」は、
もともと天野さんが企画の段階から言っていた
「ゲームのなかでお祭り状態がつくり出せる
仕組みをつくりたい」
という話からはじまってるんです。
「朝食はゴハンに決まりました」みたいな宣言を
Twitterなどで情報発信をすれば、
いろんな人に気になってもらえる
情報のひとつにできないだろうかと。
野上
このゲームを知らないお客さんでも、
気になるようなキーワードを
ゲームのなかのイベントにして、
その結果を発信することで、
『スプラトゥーン』のことを
知ってもらえるような構造を
つくりたかったんです。
阪口
で、2チームに分かれて戦うという仕組みと
くっつけてしまえばいいんじゃないかと。
岩田
もともと白黒ハッキリさせることから
はじまったわけですからね(笑)。
一同
(笑)
野上
最後にひとことだけ・・・。
岩田
はい。
野上
今日は「イカ」という言葉が
何度も出てきましたけど
じつは「インクリング」が正式名称なんです。
阪口
あまり浸透していないですよね(笑)。
野上
みんな、「イカ」としか呼んでくれないですし、
僕らも「イカ」としか呼んでないんですけど・・・。
岩田
まあ、いいじゃなイカ(笑)。
野上
あぁ、なるほど。
それで、いイカ・・・・な(笑)。
一同
(笑)