竹田 |
やっぱり、アメリカ人というのは、
いわゆるオリジナリティのあるチャレンジに対して
素直に拍手してくれる国民性がありますよね。
そういう意味では、いまみんなが言ったように
評価されたなという、うれしい思いはありましたけど、
「いや、まだ、ハードが一段落しただけだぞ」
という気持ちもあって(笑)。
まだまだやらなくてはいけないことが山ほどあるわけですから
みんながあまり舞い上がらないように、
「まだまだ仕事はたくさんあるよ」という、、、ね(笑)。
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岩田 |
竹田さんは、E3から帰ってきてすぐ、みんなに、
「まだ終ってないからね」って言ってましたからね(笑)。
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竹田 |
やっぱり、まだ終わっていないんでね。
こうしているいまも続いているわけですし。
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岩田 |
ハードはひと区切りしつつありますけれど、
ソフトのほうはどうですか。
当初の想像を超えるようなものができてきましたか?
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竹田 |
そうですね。
新しい仕組みを使ってどう遊んでいくかというのは
ある意味、我々の本領発揮の部分ですが、結果としては、
私たちハード部隊から見ての自分達の仲間(ソフトコンテンツ部隊)の
実力のほどを再認識させてもらいました。
新しいものをいかに効果的に見せるかということについては
身内ながら、たいしたもんだなと思いますね。
おべんちゃらじゃなくてね(笑)。
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岩田 |
実際にコントローラの設計をしてきた池田さんは、
最近できあがってきたソフトを触ってみてどうですか。
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池田 |
いやー、ビックリしてます。
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岩田 |
自分で作ったのに(笑)。
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池田 |
そうなんです。自分がセンサーの仕様を作ったはずなのに、
「え! こんな使い方するの?」と驚くことが多くて、
そういう発見に出会うたびに、非常に刺激を受けますね。
相談されることも多いし、ぼくも相談させてもらったり。
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岩田 |
宮本さんはいかがですか。
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宮本 |
うん。ひと言でいってしまうと、みんなすごく楽しそうですよ。
やっぱりここ数年の流れの中で、ソフトのチームは全体として
新しいことをやっていかないと大勢の人に遊んでもらえないぞという
危機感をずっと持っていましたから。
そういう危機感や、逆にそこをブレイクスルーする喜びというのは、
DSを経験してすごく強くなってますんでね。
発想の枠が取り払われる喜びで突っ走ってます。
たとえば『Wiiスポーツ』でテニスを作っていても、
操作するのはただの「こけし」みたいなキャラクターなんですよ。
で、プレイヤーはコントローラを振るだけで、
キャラクターは勝手に走り回ってる。
そういう、リアルなテニスゲームを作っていたときの常識で考えたら、
とんでもないような企画がどんどん現場から挙がってくるんです。
必要以上にシンプルにしようとする人がいるから、
「もうちょっと凝ってもいいよ?」
という話をぼくがせなあかんくらいで(笑)。
ですから、非常にムードはいいですよね。
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岩田 |
それでは最後の質問にしましょう。
任天堂はどうしてこんなコントローラを作れたと思いますか?
これまでの話のまとめになってもかまいませんので
ひと言ずつお願いします。
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池田 |
任天堂という会社は、
「何か新しいことを」ということを
つねに求められてるような気がします。
新しいことをやって褒めてもらおうという、
そこがやっぱり任天堂のスタイルなのかなと思います。
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芦田 |
やはり、ハードの開発部門とソフトの開発部門の連携ですね。
任天堂ならではのこの連携が
新しいものを生んでいくパワーというか源だと思います。
そういった、任天堂のいいカルチャー、いい伝統は、
これからも維持していきたいですね。
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竹田 |
ぼくも同じですね。
任天堂のいい伝統というかDNAというか。
何か新しいことをやろう、
エンターテインメントは新しくなかったら意味がないぞという、
そういう志が常にあるからできたんじゃないですかね。
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岩田 |
じゃあ、最後に、宮本さん。
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