(※このページには、ゲームのネタバレとなる情報が含まれています。)
- 桜井
- 時間に余裕があるので
もう少しいいですか。 - 成広
- はい(笑)。
- 桜井
- ちょっと気になっていたことがあって・・・。
本作の序章で、マルスの城が敵軍に強襲された時。
ユニットの1人を選んで、マルスの扮装をさせて、
敵の関心がそのニセモノに向かっている間に、
マルスを逃がしちゃおうと。
で、あそこで囮になった人は、やっぱり二度と戻ってこないんですか? - 成広
- (申し訳なさそうに)・・・戻ってこないですね。
- 桜井
- (すごく残念そうに)・・・そうですか。
- 成広
- でも、この話はネタバレですよね(笑)。
- 桜井
- まあ、序章の話なので許してください。
- 成広
- 誰を出しました?
- 桜井
- 自分は何も迷わずにジェイガンを・・・。
- 成広
- ええっ、そうしましたか!
- 桜井
- おいおいご老体にはマルスの変装はムリだろ!と思いつつ(笑)。
でも、なぜかまんまと敵はだまされるという。 - 成広
- (笑)。
囮に出す前に、彼の武器(※12)はとっておいたんですよね。
※12 彼(ジェイガン)の武器=ジェイガンは、ゲーム序盤からの仲間キャラクター。 序盤としては珍しく、強力な「ぎんのやり」を装備している。
- 桜井
- 囮に出すというのに、武器まで取っちゃったら
かわいそうじゃないですか! - 成広
- 桜井さんって、やさしいんですね。
- 桜井
- 本当は武器をとっておくのを忘れちゃったんです・・・。
- 成広
- (笑)
- 桜井
- 『エムブレム』をよく知ってる人なら、
ジェイガンってあまり育てないキャラクターですよね。 - 成広
- そうですね。
- 桜井
- でも、序盤にいてくれると、
すごく助けられるキャラクターでもありますし。 - 成広
- 頼りになる家臣の1人ですし、
ジェイガンなくして、『エムブレム』は始まらないということですね。 - 桜井
- それでも、やってしまった。
後になってから、ジェイガンは帰らぬ人になってしまったんだなあって。 - 成広
- 僕からもいいですか?
- 桜井
- ええ、どうぞ。
- 成広
- 『スマブラX』の話なんですけど、
よくもまあ、あんなにたくさんのワザを考えて、
ネーミングまでして、すごいなあって。 - 桜井
- 呆れ口調で言わないでくださいよ(笑)。
- 成広
- (笑)。しかも今回は
キャラクターの数もすごく多かったですよね。 - 桜井
- 多かったですね・・・。
これで『エムブレム』の部隊ができちゃうくらい。
40人近くいますからね。 - 成広
- でもホント、『スマブラ』には感謝してます。
おかげでマルスやアイク(※13)の知名度が
すごくアップしましたし。
※13 アイク=シリーズ9作目の『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』の主人公。
- 桜井
- そうそう、マルスに関して言っておかなきゃいけないことが。
実は、『スマブラX』をつくっていて、
ショックだったことがひとつあったんです。
- 成広
- ショックって?
- 桜井
- 今回の『エムブレム』で、
- 成広
- ああ!
- 桜井
- デザインが変わること自体はとてもいいことだと思うんですよ。
でも、そのデザインを見られたのが
『スマブラX』のマルスが出来上がって、
プレゼンテーションに行ったときだったんですよね。 - 成広
- ごめん!(笑)
- 桜井
- もう少し早く教えてくれれば、
『スマブラX』に反映できたのにって(笑)。 - 成広
- そうか、もう間に合わないタイミングだったんですね。
- 桜井
- せっかくマルスが完成して、「どうですか、マルスは」と見せたら、
「実はこういうものがあるんです」って。
わたしはもう「えっ!?」って絶句するしかなかったですね。 - 成広
- 今回あのイラストを出すにあたっては、
スタッフのなかにもいろんな意見があって・・・。 - 桜井
- それはデザインの方向性ということですか?
- 成広
- デザインを大きく変えようとは思っていなかったんです。
ただ、昔のものをそのまま使うのは避けつつ、
前とそれほど変わっていないと感じるくらいに
ほんの少し変化させるつもりで取り組んだんです。
その結果、今回のイラストに落ち着いたんです。 - 桜井
- そのあたりのさじ加減って、本当に難しいですよね。
『スマブラ』をつくるときも、
昔のキャラクターを今風にかっこよくして、と考えるんですけど、
人によって思い入れが違いますから。
とくに昔遊んだお客さんは、今風のデザインを
なかなか受け入れがたかったりすることも、
場合によってはあったりしますし。 - 成広
- でも、桜井さんにはもっと早く伝えるべきでしたね。
ただ、『エムブレム』も今回で11作目になり、
1作ごとにキャラクターがどんどん増えてきて。
味方だけでも50人ずつくらい増えてますからね。
しかも敵にも存在感のあるキャラがたくさんいますし
これまでのシリーズに登場したキャラはものすごい数になるんです。 - 桜井
- 味方だけでも500人以上ですからね。
名前をつけるだけでもすごく大変でしょうね。 - 成広
- なのでこれまでに登場したキャラクターを生かして、
何か新しいゲームができたら、と思っているんですけどね。 - 桜井
- 『ピクミン』とかどうですか?
- 成広
- あははは(笑)。それはいいかも!?
- 桜井
- 真に受けないでください!(笑)