河本さんは、続けるための仕組みとして、
どんな手ごたえを感じていますか？

「Ｎバック課題」は今回、
「鬼計算」という名前で入っているのですが、
プレイヤー同士で「何バックまでいった？」みたいに、
競争意識が芽生えるのが楽しいんです。
家族でトレーニングしていて、
同じくらいの成績だったら、
家族をライバルとして表示する仕組みが入っています。

すれちがい通信^（※7）にも対応していますよね。

はい。すれちがい通信で来た人も
家族と同じように見せる仕組みが入っています。
それも『鬼トレ』を続けるための
大きなモチベーションになると思います。

たぶん、はじめて「鬼計算」を触ると、
３バックくらいのタイミングで、
一度は必ず壁がきますよね。

はい。３バックが壁です。

「その先は人間には無理だ！」と思うんですよね。
ところが、すれちがい通信で、
４バックの人と出会ったりすると、
「できる人がいるなら、自分にもできるかも？」
という気になってもらえるのでは、と思います。

社内の最高記録は１３バックなんですよ。

いまのところはそうです。

川島先生のところには、
２０バックという人がいらっしゃるそうです。

そうなんですよ！

そこまでいくと、もう超人！

もう、特殊能力と言っていいでしょうね（笑）。
でも「人は何バックまでいけるのか？」ということも、
このソフトの楽しみでもありますね。

川島先生も「人間の限界を知りたい」
とおっしゃっていました。

このソフトはどこまで挑戦できるんですか？

いちおう９９バックまで用意しています。

９９バック、ですか・・・。

・・・・・・（苦笑）。

それから今回、
川島先生に学術協力をすることになりましたね。

はい。もちろん、これは実際に使ってくださる
お客さんの同意を得たうえでの話になりますけど、
いつの間に通信^（※8）を使って、
お客さんのプレイした結果を、１か月ごとに
川島先生に届けることができます。
匿名のモニターのようなかたちで、
Ａさんがどんなパターンで、どんなトレーニングをして、
成績がどう変化して、というようなことを
自動的に川島先生の研究所にお送りします。
データは統計的に分析していただいて、
研究資料として役立ててもらえたら、と思っています。

ふつう、大学の研究室で統計を取ろうとすると、
せいぜい数百とか数千単位とか
そういう単位になると思うんですけど、
今回はもっと大きな量のデータが集められる可能性がありますね。

はい。その結果、
『鬼トレ』がどういうことに有効なのか、
科学的に証明されるようになるかもしれません。

それに将来は、どんなトレーニングが
ワーキングメモリーを拡げるために有効なのか、
みたいなことの研究が前進するかもしれない、
という期待もありますね。

はい。なので、とても楽しみにしています。