5. いつの間にかやってくる
岩田
ちなみに、今回のソフトは
通常のパッケージ販売ではなく、
ダウンロード専用ソフトとして
配信済みの全種目が1日遊び放題になる
「24時間ビジターチケット」(200円)か、
または、好きな種目を選んで、
ずっと遊ぶことのできる
「種目別会員パス」(各1000円)のいずれかを
選択して遊べるようになりましたけど、
どうしてそういう構造にしたのですか?
嶋村
じつは本音のところで言いますと、
「5種目をすべてつくって発売するには時間がかかるので、
できたものから順番に出していくのはどうか」
と考えたのがきっかけです。
パッケージで出そうとすると
5種類の種目がすべてそろうのが
すいぶん先になってしまいますし・・・。
岩田
社長からは「早く遊びたい」
と言われていましたしね(笑)。
嶋村
はい(笑)。
でも、結果的に今回の方法は
いいことが多いんじゃないかと思いました。
というのも、今回はネットワークゲームでもありますので、
もし5本を同時に出すと、それぞれのソフトに
お客さんがバラけてしまうのではないかと。
でも、たとえば不定期刊の雑誌のように出せば、
1本1本のソフトを、お客さんがじっくり
楽しんでくださるのではないかと思いました。
岩田
そこで、まずは「テニス」と「ボウリング」から
楽しんでいただくわけですね。
嶋村
はい。
で、いつものダウンロードソフトだと、
まずはニンテンドーeショップ(※13)に行って、
そこでお金をチャージして、
それからダウンロードするのが基本ですよね。
岩田
はい。
嶋村
それってとてもかんたんなんですけど、
人によっては「面倒だ」と
感じる方も少なくないと思うんです。
そこで今回は、その煩わしさを軽減するために、
Wii Uがインターネットにつながっていて、
空き容量(※14)が1.3ギガバイト以上あれば、
いつの間にか自宅のWii Uに
『Wii Sports Club』がやってくる(注1)
という仕様にしました。
岩田
先日、Wii Uの本体更新をした方は、
新しく起動したときに
「今後、任天堂からお届けするソフトを
「いつの間に通信」で自動的に受け取ります。」
というメッセージが出てきたと思うんですが、
その時に「受け取る」を選んでいただくと、
1.3ギガバイト以上の空き容量さえあれば、
何もしなくても『Wii Sports Club』が届くんですね。
嶋村
そうです。ある日突然
『Wii Sports Club』のアイコンができるんですけど、
その時に、お金を払わないと
すぐに遊べないというのは、やっぱり面倒だ、
と感じる方もいらっしゃると思いましたので、
ソフトを起動してから、
最初の24時間は無料で遊べるようにしました。
岩田
だから、まずはお試しをいただいて、
もし気に入ったゲームがあれば、
「種目別会員パス」でご購入してください、
ということなんですね。
嶋村
はい。
岩田
あと、もうひとつの
「24時間ビジターチケット」には
どんな狙いがあるのですか?
嶋村
たとえば、今度おじいちゃんが遊びに来るから、
その日、1日だけみんなで「ボウリング」を楽しもう、
ということにも対応できますし、
リーズナブルな値段になっていますので、
友達が集まったときにも、
ぜひ気楽に活用していただきたいと思っています。
岩田
で、いつの間にか
『Wii Sports Club』がきますよね。
最初は2種目ではじまりますけど、
そのあとはどうなるんですか?
嶋村
何もしなくても、ある日突然
「ゴルフ」がやってくることになっています。
岩田
だから、最初の24時間は
無料で「テニス」と「ボウリング」を遊んで、
そのあとはほかのゲームを遊んでいた方にも
いつの間にか「ゴルフ」が届くんですね。
嶋村
はい。で、「ゴルフ」が出るときには、
新種目キャンペーンを行うことを決めていまして、
新しい種目が入ってきたあとにソフトを起動すると、
過去の種目も含めて、24時間はすべて遊び放題になります。
岩田
じゃあ、新リリースがあるたびに、
24時間無料キャンペーンを受けられるんですね。
「早くはじめると損だ」ということはないんですね。
むしろ、早く楽しんでいただいたほうがおトクですね。
嶋村
そうです。
岩田
最初の1回を入れると、
少なくとも4回、言い換えると4日間は
無料で遊んでいただくチャンスがあるんですね。
嶋村
なので96時間は無料で遊べます(笑)。
牧野
だから、遊ばないともったいないです(笑)。
岩田
そこでもし気に入ったタイトルがあれば、
正式に購入していただいて
たっぷり遊んでくださいということですね。
嶋村
はい。
岩田
では最後に、お客さんへの
オススメの言葉をお願いします。
鈴木
僕はこのタイトルに関して、
あまり小難しいことを言いたくない
と思っているんです。
岩田
こんなに直感的に遊べるゲームは
ほかにないんだからと?
鈴木
はい。だから、
お客さんには純粋な気持ちで
シンプルに遊んでいただきたいと思っています。
でも、その一方で、
外から見ただけではわからないくらい
複雑で、ややこしいことを、
中身では半端ないくらいにやっています。
岩田
でも、お客さんは
そんなことは知らなくていいんですよね。
鈴木
はい。
先ほどの自動配信にしてもそうですけど、
ソフトを手に入れる段階から
とてもかんたんな構造になっていますし、
最初は24時間の無料体験で
気楽にこのゲームに触れてみてください、
というのが、唯一言いたいことです。
牧野
僕は自分自身がスポーツをしていたので、
このソフトをつくるにあたって、
スポーツをしたあとのすがすがしさとか、
「スッキリとした気持ち」を大事にしたいと思っていました。
そういったことはたぶん
Miiverseで実現できたと思っていますので、
みなさんにそれを感じ取っていただければ大満足です。
あとは、鈴木さんが言ったように、
何も考えずに、とりあえず触ってみてください。
すると、誰かが何かを言ってくれますし、
うまいプレイをするとほめてくれますし、
そういうことを自然に楽しみつつ、
クラブ間で盛り上がるような遊びを
みんなで楽しんでいただければと思っています。
嶋村
僕は、初代の『Wii Sports』と
『Wii Sports Resort』にもかかわってきて、
これまでWiiリモコンを
ものすごい回数、振ってきたんですけど、
今回、「テニス」をつくることになって、
久しぶりにWiiリモコンプラスを振ってみたら、
やっぱりおもしろいんです。
岩田
わたしも久しぶりでしたが、
とても楽しかったです(笑)。
嶋村
ただ、お客さんの中には
「ネット対戦はちょっと・・・」という感じで
尻込みされる方もいらっしゃると思います。
そういう方には「ボウリング」をオススメしたいです。
誰かに負かされることはありませんので。
岩田
たしかに直接、誰かに負かされませんよね(笑)。
「ボウリング」は。
嶋村
「テニス」と違って「ボウリング」は、
自分のペースで投げることができますし、
もしストライクをとったりすると、
対戦相手からほめてもらえることもありますので、
ぜひ初心者の方も、そして熟練者の方も、
楽しんでいただければと思っています。
岩田
わたしは今日、はじめて『Wii Sports Club』を触って
最初はタイミングの違いに
ちょっとだけ戸惑ったりもしましたけど、
でも、すぐに慣れますね。
嶋村
はい。
岩田
それに、前作と比べて、
いろんな打ち分けができるようになったのが
とても新鮮でした。
嶋村
トップスピンやスライスも
かんたんに打ち分けできますし。
岩田
なので、人によって
個性的な遊ばれかたをされるでしょうね。
牧野
はい。振りかたも個性的になるでしょうし。
岩田
振りかたもそうですし、
作戦も人によって
ずいぶん違ったものになるでしょうね。
ですから、ネットの向こう側にいる
いろんな人と対戦すると、
「こんな戦いかたもあるんだ」
という気づきがたくさん生まれるでしょうし、
わたしたちも気づいていない戦いかたが
これからいっぱい発見されるんじゃないかと、
とても楽しみにしています。
嶋村
そうですね。
岩田
それから、最後に
これをお読みいただいているみなさんに、
ひとつだけお願いがあります。
Wiiリモコンジャケットとストラップの着用を
ぜひよろしくお願いいたします。
一同
(うんうんとうなずく)
岩田
せっかく楽しんでいただく機会なのに、
楽しくない思いをしてほしくありませんからね。
と言いながら、思いっきり振っちゃうんですよね、
やっぱり。
嶋村
さっきの岩田さんも
けっこう振っていましたしね(笑)。
岩田
自分では思いっきり振らなくてもいいとは
わかってはいるんですけど
気持ちが入るとどうしても振っちゃうんです(笑)。
ですので、ストラップをしっかり止めて、
Wiiリモコンプラスをしっかり握って、
周りに注意しながら楽しんでくださるよう
よろしくお願いいたします。
今日はどうもありがとうございました。
一同
ありがとうございました。