4. よりリアルなテニスに
岩田
いまの体験で、インターネット対戦が
通常のローカル対戦と同じように
快適に遊べることがよくわかりました。
それでは次に、Wiiリモコンプラスを使った
操作性の話を訊きましょうか。
嶋村
はい。今回はすべてが
Wiiリモコンプラスに対応となりますが、
「ボウリング」はもともと
『Wii Sports Resort』で・・・。
岩田
すでに対応していますよね。
嶋村
はい。
なので、「ボウリング」の操作感は
それほど変わりませんが、
前作を改良したものが遊べるようになります。
岩田
「テニス」の操作性については
のちほどお訊きすることにして、
「ゴルフ」や「ベースボール」、
それに「ボクシング」(※10)はどう変わるんですか?
嶋村
はい。まず「ゴルフ」なんですが、
Wii U GamePadとテレビ画面を活かした
ゲームになっていまして、
まず床にWii U GamePadを置いていただいて・・・。
岩田
2011年のE3で、
はじめてWii Uを発表(※11)しましたけど、
その時のコンセプト映像で紹介した
「ゴルフ」が、いよいよできるようになるんですね。
嶋村
はい。あれ、そのものです。
岩田
足下に置いたWii U GamePadの画面には
ボールが映っていて、
前のテレビ画面にはフェアウェイが映っていて、
まず下を見て、前を見て、下を見て、前を見て、
もう一度、下を見て、それからスイング、
という感じで、まるで本物のゴルフをするように
プレイすることができるんですね。
嶋村
はい。
『Wii Sports Resort』の時も
Wiiリモコンプラスに対応した
「ゴルフ」をつくったんですけど・・・。
岩田
その時はまだ
Wii U GamePadはありませんでしたからね。
嶋村
はい。なので、
テレビ画面のメーターを見ながら
打つだけだったのですが、
今回は、足下のWii U GamePadに
Wiiリモコンプラスを向けると、
画面にクラブヘッドが出てきて、
リモコンをねじると、クラブヘッドも回って、
その状態で打つと、
フックボールを打てたりするんです。
岩田
しかも、足下のWii U GamePadを見れば
ラフとかバンカーとか
ボールがどんな状況にあるのかが
一目瞭然なんですよね。
嶋村
はい。
牧野
実際にやってみると、
打ったあとに、画面を見ながら「どうよ!?」と。
それでグリーンをはずすと、
「ああ、しまったー」みたいに・・・。
岩田
思わず声が出るんですね(笑)。
牧野
はい(笑)。声が出るくらい
かなりリアルなゴルフが楽しめると思います。
岩田
2011年のE3の時に、
「Wii Uでは、こんなことができますよ」と
ご覧いただいたわけですが、
ようやく実際に遊んでいただけるようになった、
という感じですね。
嶋村
そうですね。「ゴルフ」はもう少しで
お楽しみいただけるようになると思います。
それから「ベースボール」のほうですが、
基本的な操作としては、
Wiiリモコンプラスでバットを振るようにして、
ピッチャーのほうは、
Wii U GamePadを構えて遊ぶことになります。
岩田
初代の『Wii Sports』の時は
Wiiリモコンを振って、ボールを投げていましたけど、
今回はそうじゃないんですね。
嶋村
はい。これも2011年のE3の時の
コンセプト映像の中に入っているんですけど、
Wii U GamePadの画面をのぞきながら、
コースと球種を選んでボールを投げて、
バッターとの駆け引きを
楽しめるようになっています。
岩田
「ボクシング」はどうですか?
嶋村
「ボクシング」はネットワークへの対応など、
いろんなことを検討していまして、
もう少しお待ちいただくことになると思います。
岩田
はい。それでは「テニス」の
Wiiリモコンプラス対応の話をお願いします。
嶋村
「テニス」に関しては、
課題としてはいろいろありまして、
初代の時にできなかったことを、
今回はやろうということで・・・。
岩田
初代の『Wii Sports』の時は、
あたかもWiiリモコンがどっちに向いて、
どう振られたかを、すべてわかっているかのように、
ものすごく上手につくられていたんですが、
Wiiリモコンの加速度センサーだけで
リモコンの動きを完全に検知することには、無理があったんです。
Wiiリモコンプラスのようにジャイロセンサーがないと
情報が足りないんですね。
あれってじつは、「こうしたときはこうに違いない」と、
Wiiリモコンの情報が足りないところを、
主に太田(敬三)さん(※12)のチームで
補っていたんですよね。
嶋村
そうなんです。でも今回は、
利き腕側のフォアに構えたり、バックに構えたり、
センターに構えたり、ということが
Wiiリモコンプラスのジャイロセンサーで
ちゃんと認識できるようになりました。
岩田
悔しがる動きもわかるくらいですからね(笑)。
嶋村
はい(笑)。
前作の時は、ボールがバック側に来たときは、
オートでラケットもバックの位置になって、
あとはタイミングに合わせて振るだけ
という遊びだったんです。
でも今作では、向かってくるボールに対して、
バックで打ち返すのか、
それとも回り込んでフォアで打つのか、
ということを自分の判断で
操作できるようになりましたので、
一体感がさらに増したのではないかと思います。
岩田
よりリアルなテニスに近づいたんですね。
嶋村
そうですね。でもある意味、
できることが増えたので、正直「難しくなった」
と感じる方もいらっしゃるかもしれませんけど、
慣れてくると、「今回はフォアだけで勝負する」とか、
「オレはバックだけで勝負したるわ」みたいに、
最初に「ちょこっとメッセージ」で宣言をしてから
プレイする人も出てくると思いますので、
遊びの幅としては広がったように思っています。
岩田
フォアとバック以外に
打ち分けできるようになったことはあるんですか?
嶋村
あとは、ボールを打つ瞬間に
かぶせるように振ると、
トップスピンがかかります。
岩田
トップスピンをかけると、
バウンド後に大きく跳ねるんですよね。
嶋村
はい。それからボールの下のほうを
こするように振ると、スライスボールになって、
ボールがバウンドしたときに
グッと伸びるようなボールが打てたり、
前衛がネット際にいて、
その後方の空いたスペースに打ちたいときは、
下から上にポンと振り上げると
ロブショットになったりと、
3つのショットがかなりの精度で
打ち分けができるようになりました。
岩田
まさに、本格的ですね。
その打ち分けはかんたんにできるんですか?
嶋村
はい。
でも、口で説明するよりも、
実際に動きを見ていただいたほうが・・・。
岩田
では、解説していただきましょう。
うごく嶋村さんに(笑)。
嶋村
はい(笑)。