この「DSココロぬりえ」は、色彩心理学をもとに作られています。
「色彩心理学」とは、色と心の相関関係を研究する学問のことです。
そこには大きく分けて2つの要素があります。
1つは、色が人間にどんな効果や影響を与えているかということ。
そしてもう1つは、人間はどんな心理状態のときにどんな色に惹かれるかということです。
色彩心理学は、1940年代に主に米国で発展しましたが、そのきっかけとなったのは、幼児の絵の研究でした。既成概念のない子どもが無意識に選ぶ色には、その時々の心の状態が反映されているということが、膨大な研究から明らかにされたのです。
私自身も1960年代から子どものアトリエを開き、そこでの実践を基礎研究として調査を積み重ねてきました。加えて、これまでに約4000例に渡る成人の事例を分析し、「色と心の関わり」をわかりやすく体系化したのが、「末永ハート&カラー・メソッド」です。
本ソフトにおけるぬり絵の分析は、上記のようなデータがもとになっています。
「ココロぬり絵」にはたくさんのぬり絵がありますが、各々の絵柄も色彩心理学の研究から生まれたものです。
私はこれまでに約1万枚の子どもの絵に触れ、色彩だけではなく、モチーフ(形)や構図、タッチ、画材などにも着目し、分析を行ってきました。その結果、子どもの心理状態によって表現される絵柄に特定の傾向があることがわかってきました。そうした研究成果を応用し、自由に絵を描くのが苦手という大人のために作成したのが、オリジナルぬり絵でした。
現在は数十種類のぬり絵を、社会人や高齢者のための色彩セラピーの場で活用していますが、目的や対象によって適切な絵柄を選ぶことで、多くの人がぬり絵を楽しみ、精神的にもさまざまな効果が得られています。
1944年生まれ。色彩心理学実践の第一線で、長年に渡り色彩によるメンタルケアに取り組んでいる。 1988年に(株)ハート&カラーを設立。翌年、色彩心理と色彩セラピーを総合的に学ぶ講座「色彩学校」を東京で開講。また、アートによる子どもの心育てをテーマに「子どものアトリエ・アートランド」を全国各地で展開している。 本ソフトでは、色彩心理学に基づいたセラピー効果のあるぬり絵の制作やカウンセリング内容の解説など、全体的な監修を行った。 |