3. 新しいバトル
新しいバトル
岩田
新しくフェアリータイプが加わることで、
調整が大変だったんでしょう?
増田
(しみじみと)大変でした・・・。
でも、新しいタイプのポケモンが加わることで
全体的なバランスをいちから見直すことになりましたし、
その結果、ポケモンが育てやすくなったりと
とてもいい機会になったと思います。
岩田
石原さんはいかがですか?
新しいタイプが登場するということは、
ゲームのバランス調整だけでなく、
これまでずっとポケモンカードゲーム(※6)の
プロデュースを担当されてきた石原さんにも
大きな影響があったと思いますが。
石原
そうですね。
みんなで半年くらい悩みましたから(笑)。
岩田
必勝法がかんたんに見つかると
遊んでいてもつまんなくなりますから、
単純に必勝法が見つからないように、
全体を再構築しないといけないわけですよね。
石原
そうなんです。
でも、ポケモンカードゲームでも
ドラゴンタイプはとても強かったですし、
それに対抗できる勢力が登場することに関しては、
自分としても大歓迎でした。
ですから、そういう意味では、
「久しぶりに新仕様の設計ができるぞ」と、
みんなで盛り上がりましたね。
岩田
ああ、そうなんですね・・・。
「大変だ大変だ」と言いながらも、
久しぶりに新仕様の設計ができるので
みんなでワクワク、ニコニコしながら
調整をしていたんですね。
石原
そうですね。
それに、たとえばプリンのように、
これまでにも登場していたポケモンたちが、
新たにフェアリータイプとして登場するようになりましたので、
そういう意味でも、すごく新鮮でしたね。
岩田
そのように、今回は
フェアリーという新しいタイプが加わり、
「スカイバトル」(※7)と「群れバトル」(※8)という
新しいバトルが追加されたことで、
遊びかたも、これまでとはずいぶん変わりそうですね。
増田
そうですね。
まず「群れバトル」ですけど、
“生活感”が出るように意識してつくりました。
岩田
ポケモンがどんな生活をしているか、
みたいな感じを出そうと?
増田
そうです。
「このポケモンたちは、どう暮らしているんだろう」
ということが、ちょっと垣間見えると
おもしろいなと思いました。
岩田
そもそも生き物が“群れる”ということは
自然界では当たり前のことですからね。
増田
そうですね。
それに「群れバトル」では
いきなり5匹のポケモンが出てきたりしますけど、
じっくり観察をすると
それぞれの特性の違いがわかったりするんです。
なので「このメスのポケモンを捕まえよう」
みたいに、従来とは違ったかたちで
バトルを楽しめると思います。
岩田
駆け引きも楽しめるんですね。
増田
そうですね。
石原
「スカイバトル」のほうは、
ひこうタイプのポケモンのほかに、
特性が「ふゆう」の一部のポケモンしか参加できないんです。
ですから、それまでは鉄壁だと思っていた
ポケモンのチーム編成を
「スカイバトル」用に変えることになるので、
自分でやってみてもおもしろかったですね。
岩田
自分でポケモンの編成を考えて、
「これで大丈夫だ」と思っていても、
空中戦という、新しい環境が生まれることで、
ポケモンの編成を考え直すきっかけになるんですね。
石原
そうです。
たとえば、ゴーストタイプが好きな人がいて、
「でも、スカイバトルでは使えないだろうな」
と思って、諦めるんじゃなく、
いざ試してみると、
じつは使えたりするんです。
岩田
ああ、「ふゆう」だからですね。
石原
そうですね。
それで「このポケモンも使える」みたいに、
新しい発見をすることも
今回の楽しみのひとつですね。