世界観/ストーリー

バックグランドストーリー 前編

―プロローグ― 誰もが思い描く世紀末っぽい風景。かつて天を貫いた建造物は、巨人の手によって叩きつぶされたかのようにぺしゃりと崩れ、もう世界が生まれた時からそうであったかのように、その身を静かに横たえている。巨大な建造物の間をクモの巣のように這い回る道路は、ことごとくひび割れ、ひびの隙間からかろうじて顔をのぞかせる名もない雑草が吹き付けるビル風に弱々しく震えている。広場には、何者かの攻撃によって穿たれたと思われるクレーターが口を開け、周辺の外灯を同じ向きに傾かせている。およそここには生物と呼べるようなものの姿は見られず、耳が痛いほどの静寂が辺りを包む。この土地の覇者はかつて、ヒトと呼ばれた生物だった。

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