行動理念がシンプルなところは好きですね。ターゲットまで最短距離で詰め寄り、障害は力でねじ伏せるなど粗暴で猪突猛進なところも多々ありますが、必要であればクレバーな状況判断でミッションを遂行していく様は、やはりカッコいいと思います。怪盗ビーストの真骨頂ですね。
ただ、彼も完璧な人間ではないので弱点があったりします。その辺りの人間臭さというか、素のアーロンを垣間見ることができる瞬間は愛おしいです。

彼らBONDのメンバーたちは物語中で何度も内面を窺い知れるところがあるので、心の機微であったり素性や生い立ちに関してはすんなりと考えることができました。
あえて役作り的な話をするなら、普段のアーロンを少ししゃがれた感じに聞こえるよう心がけた、とか小さい話ばかりになりますかね。一応、ザラッとした声質から彼のバックボーンが滲み出てくれると良いかな、という目論見がありますが、果たしてそれは上手くいっているでしょうか。

BONDの4人だけでなく、どのキャラクターも個性的で魅力あふれる人物ばかりなので、ひとりに絞るのは難しいですね。ちょっとしか出てこないキャラも、なぜだか妙に記憶に残るヤツがいたりするのです。それぞれが物語の中でちゃんと生きているから魅力的に感じるのでしょうね。隅々まで登場人物たちを堪能していただけたら幸いです、というかおもしろいです。

魅力的なシナリオだと思います。個人的にも楽しみながら収録させていただきました。数々のミッションに関わるシナリオは、とくにスパイ映画が好きな方には刺さるのではないでしょうか。緩急のついたやりとりも楽しかったので、シナリオは堪能していただきたいですね。
あとはバディ物として、それぞれの思惑がいかに絆として昇華していくのか、そのドラマを見届けて欲しいです。4人の行く末をお楽しみに。