私が、入社後一番初めに配属されたのは、任天堂の商品を海外に展開する部署でした。ちょうど、ニンテンドー3DSが発売された年で、新しい携帯ゲーム機を台湾、香港、中国で発売するために、商品のローカライズやプロモーション関係の仕事に関わっていました。自分は中国出身なので、現地の人とうまくコミュニケーションできるという利点を活かすことができました。でも、何年か経つと日本国内のマーケティングの仕事も経験してみたいと思うようになり、面談で相談しました。
その願いは叶い、異動先の営業戦略室ではさまざまな仕事に携わったのですが、なかでも2019年11月にオープンした「Nintendo TOKYO」の立ち上げに関わったことは、とてもエキサイティングな経験になりました。任天堂にとっては国内初となる直営ショップの「Nintendo TOKYO」は、ゲーム機本体やソフト、キャラクターグッズなどの販売はもちろん、ゲームの体験やイベントなどを通して、任天堂の製品や任天堂のキャラクターをより身近に感じていただけるような場所を目指しています。
この「Nintendo TOKYO」で、私は販売グッズのマーチャンダイジング(商品計画)を担当することになりました。取扱商品があまりに多く、多忙をきわめましたが、お客様に買っていただく商品については手を抜かずに、納得のいくものを目指して取り組みました。
私がマーチャンダイジング初心者としてこの仕事を進めていくうえで、とても運がいいと思えたのは、長年ポケモンセンターの運営実績のある株式会社ポケモンさんをはじめ、店舗運営のノウハウをお持ちの企業様と一緒に商品を企画、開発できたことです。彼らがどのように製品を作っているか、どのような商品を作ったらお客様に喜んでもらえるのかといったことを、いっしょに仕事をしていくなかで学ぶことができ、とても参考になりました。
また、店舗の運営面についてもいろいろ教えていただきました。お客様に接するときの心構えや、ポケモンセンターの新店がオープンしたときは見学をさせていただくようにして、大混雑のなかでいかにお客様がストレスなく買い物できるようにするかなど、お店全般についても学ぶことができました。
この仕事の醍醐味は、なんと言ってもお店のオープンに立ち会って、お客様のたくさんの笑顔が見られたところにあります。また、準備段階でも、それまでは紙ベースの企画書だったものが、実際にサンプルになり、それを手に取ったときはすごくうれしいんです。なにより他社で企画・開発してくださる方々には任天堂ファンが多かったりしますので、ものすごく愛情を持って任天堂の商品を作ってくださるんです。そのような環境で仕事ができることはすごく楽しいですし、この仕事を通じて学んだことや、築き上げた人間関係が、かつて在籍した海外ビジネスにも役立つ日が来るといいなと思っています。