最適なPC環境を構築する 最適なPC環境を構築する

職種ごとに異なるPC環境

任天堂にはさまざまな職種が存在し、業務や目的に合わせて適切なPC(パソコン)環境を用意する必要があります。導入したPCに万が一不具合が生じてしまうと、データのロストやダウンタイムなどの発生により、業務に重大な影響を与えかねません。言うまでもなく社員にとってPCは必要不可欠であり、仕事を行ううえで重要なライフラインとなります。

そこで重要な役割を担っているのが、私たちPC環境構築/サポートの仕事です。PC環境構築/サポートでは、利用者の欲しい機能や性能、各部門から上がってくる声などを聞いて、業務に応じた適切なPC環境を整えます。私たちは日々、社員が使用するPC環境を検討し、環境構築のために必要なものを調達したり、また、PCに不具合が生じた時には問題を根本まで調査して原因の追求と解決を図っています。これらに対応するためには、職種によってどのようなPC環境が必要か深く理解する必要があり、たとえばより高負荷な処理が必要となる開発部門とは定期的に会議を設けてすり合わせを行っています。

PCの導入後、最初は問題なく使えていても、使っていくうちに不調になることがあります。このときに、PCメーカーへ調査と修正をお願いして解決できれば簡単ですが、PCの中には機密情報も多く入っているため、そのままPCを渡すこともできません。そのような状況で、PCメーカーに正しくPCの状況を理解していただくためには、問題の発生条件や手順だけではなく、問題が起きている根本的な原因まで深掘りをして、具体的な内容を説明する必要があります。

私は任天堂に入社する前に、ノートPCの開発や製造の現場に携わってきた経験がありました。そのときから、問題が起きた際に原因や発生メカニズムを突き止めてきましたが、任天堂に入社してからは、実際にPCが利用される現場を、それまで以上に深掘りをするようになりました。これは、任天堂のPC環境が職種に応じて大きく異なることが要因としてあります。たとえばデザイナーは、3DCGソフトなどで扱うデータサイズがとても大きく、CPUやGPU、ストレージなどに大きな負荷がかかってもスムーズに業務を進められるPCが必要です。ほかにも、プログラマーは書いたコードをすぐに開発中のゲームに反映して確認ができるよう、処理能力の高いPC環境が必要になります。それぞれの目的に特化したPC環境を構築するためには、徹底的なチューニングやさまざまな工夫も必要です。そして、このような環境で発生した問題の根本原因を調査するには、PCがどのように動いているかを深くまで理解しなければなりません。

徹底的に掘り下げる

たとえば、あるときから100台あるPCのうち5台で同じ問題が起きるようになったとします。このような場合は、そこには必ず、何かしらの原因があります。そして原因を掘り下げるために、問題の発生するPCと発生しないPCそれぞれの環境の差分を徹底的に洗い出し、時にはカーネルデバッグと呼ばれる低レイヤーまで掘り下げて原因を追究します。ここまですることで、自分なりにPCのアーキテクチャに関する理解が深まり、PCの内部で何が変化し、どのような処理が行われて問題が起きたのかのストーリーを組み立てることができるようになります。もちろん、組み立てたストーリーが間違っていることもありますし、原因究明が困難な場面もあります。それでも、原因がわからないからといって手を離してしまうと、そこで止まってしまい、問題は解決できません。諦めずに探求しつづけることが重要で、ストーリーをきちんと修正し精度を上げていけば、最終的に原因にたどりついて解決できることも多々あります。

私は子供のころからPCを触るのが好きで、仕事でもPCにずっと携わってきました。任天堂にはいろいろな部門があり、日ごろから話し合うことを大事にしています。PCメーカーのところに伺って、PCの開発者と話し合うこともあります。PCはライフラインと言いましたが、それがないと開発をすることも資料を作ったりすることもできません。自動車に例えるなら、乗用車やトラックなど、人によって必要なものは大きく異なります。私はPCも同様だと思っています。みんなが快適に仕事をできるように、その人に合ったPCを提供することで、会社全体の仕事効率向上にも寄与できることは、PC環境を構築する大きなモチベーションになります。任天堂はPC利用者との距離がとても近く、特に開発部門ではPCの性能を最大限に引き出して利用している社員も多いため、PC環境について直接議論をしたり、感謝の言葉を聞けることは任天堂ならではの環境かなと思っています。PCを触るのが好きな人にはとても相性の良い環境だと思いますし、開発をはじめとした各種業務をスムーズに行ううえで私たちの力が役立てることに、とてもやりがいを感じています。

社員略歴

八矢開発推進部/2017年入社
2017年にキャリア採用で入社。
前職ではノートPCの開発に携わり、PCのプリインストールソフトウェアや検査ツールの開発を経験。
任天堂入社後は、開発推進本部開発推進部コーポレートITGに所属。一貫して、PC環境サポートチームの一員として、社内のPCに関する業務を担当。PCを社内に展開するためのメーカーとの交渉やキッティングシステムの開発に従事。社内のPCトラブルに対応するチームのとりまとめも行う。
職種

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