インハウスデザイナーとしてインハウスデザイナーとして

ゲームに馴染みのないお客様にも

私はグラフィックデザイナーとして任天堂に入社してから、店頭に置かれるパンフレットや、「スーパーマリオ35周年」のときに発売された「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」のパッケージ、「Nintendo Switch (有機ELモデル)」のパッケージなど、さまざまな印刷物のデザインを手掛けてきました。そして『Nintendo Switch Sports』の発売に際し、同ソフトのパッケージデザインを担当することになりました。

この商品は、かつて『Wii Sports』シリーズを楽しんでくださったお客様はもちろん、あまりゲームに馴染みのないお客様にも遊んでいただきたいと考えていました。そこで、シリーズのイメージは保ちつつ、初めて遊ぶお客様にもわかりやすいパッケージデザインを制作したいと考えました。

インハウスデザイナーだからこそできること

これまで『Wii Sports』シリーズを楽しんでくださったお客様だけでなく、あまりゲームを遊んでこなかったお客様にも手に取っていただけるようなパッケージデザインを目指すため、まず私は、過去に発売された『Wii Sports』シリーズのパッケージデザインを研究し、社内でのヒアリングをはじめました。過去作のパッケージをデザインした人から話を聞き、ゲーム開発者からは、お客様にどんな魅力を伝えたいのか、プロモーション担当者からは、この商品をどんなふうに売っていきたいのか、といったことを聞くことで、ビジュアルを作るためのヒントを探っていきました。このように社内の関係者と密にコミュニケーションが取れるのはインハウスデザイナーだからこそです。

関係者と検討を進めていき、パッケージデザインの方針を決めることができました。基本カラーは、シリーズのイメージを踏襲してブルーにすることにしました。さらに、体感操作で直感的に遊べることを強調するために、Joy-Conを持った手やレッグバンドを足に装着した写真を大きめに出し、キャラクターイラストは、体感操作のイメージを伝えるために、補助的に配置しました。そして、バドミントンならラケットを振る動き、バレーボールならレシーブする手の動き、サッカーならボールを蹴るイメージで、写真撮影を行いました。なぜ、この3種目を選んだかというと、シリーズで初めて採用された種目だったからで、そうすることで、Nintendo Switchで初めて発売される『Wii Sports』シリーズである、ということを強調したかったためです。

ゲームが発売された後、販売店の店頭に行きました。お店に並んだときのことを考えて、色の設定や見え方を検討していましたので、それを実際に確認する目的でしたが、自分がデザインを手がけた商品が並んでいて、それを手に取っているお客様の姿を見るとすごく嬉しかったです。

社員略歴

伊藤企画制作部/2018年 入社
2018年「デザイン系」入社。
Nintendo Switch『Nintendo Switch Sports』(2022年)、Nintendo Switch『バディミッション BOND』(2021年)、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」(2020年)、「Nintendo Switch(有機ELモデル)」のロゴ・ビジュアル・パッケージのグラフィックデザインを担当。

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