より早く開発サイクルを回すためにより早く開発サイクルを回すために

PCと開発機を橋渡し

一般的にゲーム開発は、PCを使って行われます。ただしPCに、Nintendo Switchで使うような、加速度センサーなどを搭載したJoy-Conがつながっているわけではありませんから、そのままではゲームの触り心地を確認することができません。そこで、PCで作成したゲームプログラムをNintendo Switchの開発機に移して、動作確認や触り心地などをチェックする必要があります。そのためには、開発機と、PCをケーブルでつなぎ、データをやり取りすることになります。

ソフトウェアエンジニアの私は、PCと開発機の間でさまざまなデータを橋渡しするために、システム開発のチームの一員として業務に携わっています。ただ、橋渡しをすると一言でいっても、実は簡単なことではありません。なぜなら、PCと開発機は大きく異なるシステムで動いていて、プログラムを動かすためのルールや作法が異なるためです。開発者が効率的にゲームを開発するためには、PCと開発機の間でスムーズに連携をする必要があります。双方のOS(オペレーティングシステム)の仕組みを、しっかりと理解したうえで、データの橋渡しを正確に行うことが求められるので、思い通りに動かすことができたときには達成感があります。

また、Nintendo Switchでは、ゲームのデータ量はとても膨大なものになっています。開発機で確認をするたびに毎回、それらのデータをすべて開発機に送っていると、開発者の待ち時間が長くなってしまい、ゲーム開発の効率にも影響が出てしまいます。これはゲーム開発全体に関わる課題になりますので、必要な一部のデータのみを開発機に送る機能を構築して、短時間で動作確認をできるように取り組みました。その結果、より早く開発サイクルを回すための手助けになったと考えています。

ゲーム開発者の役に立ちたい

ゲーム開発の現場では、常に新しい課題や要件が出てきますので、このシステムは日々、アップデートを続けています。開発者とは直接連絡を取れるようにしていて、課題や要件が生じれば、すばやく修正したデータを渡すなど、迅速な対応をするように心がけています。それを可能にしているのは、ゲーム開発者と密度の高いコミュニケーションを取れる環境にあることも理由の一つだと思います。ゲーム開発者との近い距離感で仕事に取り組めることも、より早く開発サイクルを回していくことに役立っています。

また、このPCと開発機の橋渡しをするシステムでは、開発機で動いているゲームの映像や音声を、PCの画面で確認できるだけでなく、ゲームそのものをPCから操作することもできます。また、これらの映像や音声、ゲームの操作情報はPCに記録しておくこともできます。この機能を利用して、不具合が発生したときの映像を記録したり、動作確認のために決まった操作を繰り返すことで、開発者からデバッグに大変役に立ったという声もいただきました。

もともと私は、学生のときに、趣味でゲーム作りをしていたことがあります。その際に、ゲームだけではなく、ゲーム開発のための簡単なツールを作ったりもしました。そのツールを実際に利用された方からゲーム作りが楽になったと感謝されて、とてもうれしかったことを覚えています。いまの仕事はゲーム開発者の役に立ちたいという自分の理想にもつながっていて、とても満足しています。

社員略歴

富澤技術開発部/2010年入社
2010年「理工系(ソフトウェア)」入社。
Wii U GamePad や amiibo のシステム開発に携わる。Nintendo Switch では、コントローラーや NFC(近距離無線通信)の開発を担当。その後は、ゲーム開発を支援する仕組みやツールの開発に従事。
職種
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