CSR情報

任天堂に関わるすべての人を笑顔にする

環境

さまざまな側面で
環境負荷低減に取り組みます。

社会からの期待に応え、次世代によりよい環境を残していくために、
オフィスにおける環境配慮はもちろん、
設計から販売後の修理・サポート、
リサイクル対応に至るまで製品に関するさまざまな側面において、
環境負荷低減に取り組んでいます。

環境マネジメントシステム

環境に配慮した事業活動を行うことは企業にとって重要な責務です。

任天堂はすべてのお客様に安心して遊んでいただける、高品質な商品づくりのさまざまな側面において、そしてオフィスにおいて、環境負荷低減につながる活動に取り組んでいます。

各国・地域で環境活動を推進する組織を設置しており、特に任天堂のゲーム機や周辺機器の設計、製造を担当する任天堂(日本)では、社長を委員長とする「環境委員会」を設置し、ISO14001※1認証を取得しています。組織が一体となって環境活動を推進していくため、同規格に基づく仕組みを導入しています。

※1 ISO14001
環境マネジメントシステムの国際規格。社会経済的ニーズとのバランスをとりながら環境保全活動を行うことが求められています。

環境方針

環境への取り組みの指針となる「環境方針」を社長の承認のもと定めています。環境方針は、ポスターや社内ポータルサイトなどで社員へ周知しています。

環境方針
環境理念

任天堂は人々を笑顔にする娯楽をつくる会社として、環境を保護し、持続可能な社会の実現に貢献します。

行動指針
  • より良い環境を目指します。
    私たちは、社会的、経済的発展とのバランスを取りながら、環境にやさしい製品・サービスの提供と、環境汚染の予防に努めます。
  • きまりを守ります。
    私たちは、環境をより良いものにしていくために世界中で設けられているものづくりやオフィス活動に関するさまざまな法令や規制を確実に守ります。
  • 繰り返し見直します。
    私たちは、環境にやさしい行動をとるため、直すべきところ、足りないところを互いに探しあい、指摘しあう仕組みを整え、全員で改善を続けていきます。

推進体制

任天堂(日本)では、以下のような体制でISO14001に基づく環境マネジメントシステムを推進しています。

ISO14001に基づく仕組み図
※2 内部環境監査組織
  • 内部環境監査員は、環境委員および対象事業所の社員から適任者を選任。
  • (1)ISO14001に適合しているか、(2)ルール/法規制が守られているか、(3)環境影響が大きくなっていないか、(4)有効に実施され維持されているか、といった観点から監査を行う。
ISO14001認証取得対象事業所
  • 本社
  • 本社開発棟
  • 宇治工場

PDCAサイクル

環境方針のもと各部門が環境目標を定め、以下のようにPDCA(Plan:計画 - Do:実行 - Check:評価 - Act:改善)サイクルを回すことで、継続的な改善を図っています。

PDCAサイクル図

事業活動における管理

設計における環境配慮

任天堂では、環境マネジメントシステムの一環としてゲーム機や周辺機器の環境配慮設計に取り組んでいます。開発部門では、「省エネルギー」「化学物質の管理と削減」「資源の有効活用」という観点から製品に採用し得る項目を挙げた「環境配慮設計チェックシート」を策定しています。製品開発においては、このチェックシートを用いて環境配慮の目標を設定し、目標に対して責任者の承認を得た上で開発を進めています。開発部門は製品ごとのチェックシートを環境委員会に提出することで、製品の環境配慮状況を報告しています。

製造における環境配慮

任天堂では、製造部門が日々生産パートナーとコミュニケーションをとりながら、品質管理、納期遵守率向上活動、廃棄を行う際のリサイクルへの配慮などの活動に取り組んでいます。これらは環境負荷低減に密接につながっています。

例えば納期遵守率向上活動は、計画に沿った生産から輸送までのプロセスを管理することにより、遅延の発生がもたらすエネルギーや部材の抑制につながります。ほかにもエネルギーや部材を節約するための取り組みの一つとして、生産ラインの自動化を通じた生産性の向上にも取り組んでいます。

また製造部門では、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを導入し高品質な商品の提供に努めています。高品質な商品づくりは、環境負荷抑制という観点からも重要だと考えています。

事業活動における環境配慮の具体的な取り組みに関しては、以下も併せてご覧ください。

気候変動への対応
資源の有効活用
化学物質に関する取り組み

内部環境監査・外部審査

任天堂(日本)では毎年、ISO14001に基づき、内部環境監査を実施しているほか、外部の審査機関による審査を受けています。

内部環境監査では、社内環境監査員の資格をもつ社員で構成した監査チームが、各部門におけるISO14001の要求事項への適合性や活動の有効性を監査しています。また外部審査では、ISO14001認証を継続するため、各部門や事務局へのヒアリングを通じて社内の環境マネジメントシステムがISO14001に適合しているか確認されます。こうしたチェックの仕組みが、環境リスクの未然回避、改善等につながっています。

法令遵守の徹底

任天堂(日本)では、環境関連法令を把握し、それらを漏れなく遵守できていることを定期的に確認する仕組みを構築しています。内部環境監査や外部審査の確認項目にはそうした仕組みや法令の遵守状況が含まれています。建物・設備に関わる環境関連情報を各事業所間で共有し、法案や法施行、法令の改正などの最新情報を把握しています。

環境教育

任天堂は、環境保全に貢献する活動を行っていくためには環境に対する社員の意識を高めることが不可欠だと考えています。

任天堂(日本)では、社員に対する環境教育の実施や社内ポータルサイトを通じた環境関連情報・環境委員会の活動情報の発信により、意識の向上を図っています。

また、海外子会社においても環境について考えるイベントを開催するなど、社員の意識向上に努めています。

海外子会社における取り組みについては、「ステークホルダーとの協働」もご覧ください。

気候変動への対応

任天堂は、気候変動の原因となるCO2排出量削減のため、エネルギー効率に配慮した製品設計や効率的な輸送の実施、海外のオフィスでの再生可能エネルギー購入など、製品・オフィスの両面で取り組んでいます。

製品設計

任天堂は、ゲーム機や周辺機器の開発において環境に配慮した設計を実施しており、その項目の一つとして「省エネルギー」を挙げています。具体的には、低消費電力のデバイスの採用や、待機モード・スリープモードなどの省エネモードの採用を通じてエネルギー効率のよい製品の開発に取り組んでいます。例えばNintendo Switchでは、最初のモデル発売(2017年)後もSoC※1の改良を続け、新しい半導体技術を採用することで消費電力の低減を実現し、2019年には「バッテリー持続時間が長くなったモデル」を発売しました。2021年に発売した「Nintendo Switch(有機ELモデル)」でも、この改良されたSoCを搭載しており、ゲームプレイ時の消費電力は約6W(TVモード時)となっています。

※1 SoC
「System on a Chip」の略で、一つの半導体チップ上に、システム稼働に必要な多くの機能を搭載したもの。ここではNintendo Switchの心臓部となるCPUやGPU、その周辺機能を搭載した半導体チップを意味する。
ゲームプレイ時の消費電力
Nintendo Switch(2017年発売) 約12W
Nintendo Switch(2019年発売) 約7W
Nintendo Switch(有機ELモデル)(2021年発売) 約6W
※ 
TVモードで使用した場合。消費電力はソフトや使用状況によって異なります。

また、使用時のエネルギー効率だけでなく、生産工程の使用エネルギーや輸送時のエネルギー削減についても製品設計の段階で考慮しています。具体的には、作業工数の削減やコンテナやトラックへの積載効率の向上に努めています。

例えば、Nintendo Switch、Nintendo Switch(有機ELモデル)におけるパッケージの小型化に加え、Nintendo Switch、Nintendo Switch(有機ELモデル)、Nintendo Switch Liteの輸送に使用するダンボール箱の材質を、強度はそのままに薄い材質に切り替えることで、1つのコンテナに積載できる製品数を増やし、輸送効率を改善しました。

製品の省エネルギー設計に関して、以下も併せてご覧ください。

設計における環境配慮
欧州地域における「ゲーム機自主協定」の締結

商品輸送

任天堂は、商品の輸送においても環境への負荷を低減するため、輸送ルートの見直しや環境負荷の少ない輸送手段の選択、できる限り高い積載率・少ない輸送便数での輸送など、さまざまな取り組みを行っています。

欧州任天堂
環境に配慮した輸送

欧州任天堂は、商品輸送におけるCO2排出量の削減に取り組んでいます。

具体的には、港から倉庫までのコンテナ輸送に、主に鉄道を利用しています。鉄道はCO2排出量の影響がトラックと比べて低く、この間の商品のコンテナ輸送ではCO2を最大85%削減することが可能となります。

また、欧州任天堂の倉庫から流通への輸送においては、常にトラックを満載にして、輸送の回数をできる限り低減することを目指しています。こうした輸送効率化のために、ITシステムを活用して、流通パートナーの希望納期を考慮したうえでできる限り多くの注文を1つの出荷に統合しています。さらに、最新の物流車両(完全電動自動車や電動自転車など)を保有するパートナーと契約し、一部の国ではカーボンニュートラル配送を行っています。

そのほかの取り組みについては、「任天堂のCSRに関するQ&A:環境に関する取り組みについて」もご覧ください。

オフィス関連

任天堂では、事業所を新設する際、空調や照明などの設備について、可能な限り環境に配慮したものを導入しています。

例えば任天堂(日本)の本社開発棟は、高効率空調設備の採用・太陽光発電・風力発電や雨水利用などの環境配慮を取り入れ、CASBEE京都※2評価最高ランクのSランクを達成しています。

海外子会社でも省エネルギー活動を推進しています。米国任天堂の本社ビルは、米国グリーンビルディング協会が制定しているLEED制度※3のゴールド認定を取得しています。また米国任天堂では、オフィスと近郊の配送センターの購入電力を100%再生可能エネルギーで賄っているほか、食堂などでの天然ガスの使用によって発生するCO2を地域の植林活動に貢献することで吸収し、バランスをとることを目指すカーボンバランスプログラムにも参加しています。

CO2排出量やエネルギー消費量などの環境データは、「データ集」にて開示しています。

※2 CASBEE京都
全国的に普及しているCASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency 建築環境総合性能評価システム)をベースに、京都が目指すべき環境配慮建築物を適切に評価・誘導できるよう項目の重点化や見直しを行い、京都独自のシステムとして策定したもの。
※3 LEED制度
Leadership in Energy and Environmental Design
建物の設計、建築、運営、管理に関する環境性能を包括的に評価する制度。
欧州任天堂
CO2排出量削減に注力

欧州任天堂(ドイツ)は、本社ビルにて100%再生可能エネルギー由来の電力を利用するなど、CO2排出量の削減に取り組んでいます。供給されるエネルギーは、太陽光や風力、水力を利用して発電したものです。

また、社員への啓発のために社内ポータルサイトで活動への協力を呼び掛けているほか、各社員のデスクに席を離れると自動で消灯するモーションセンサーを導入しています。

ほかにも、移動手段に関連するCO2排出量の削減にも注力しており、リース契約の社用車入れ替えの際にエネルギー効率のよい車両を選択しています。ドイツの本社ビルには、電気自動車や電動自転車の充電ステーションが設置されており、社員が通勤時に個人的に利用することもできます。ほかにも、国内出張の際に航空機の代わりに鉄道を利用するよう奨励しています。

欧州任天堂(ドイツ)本社ビル
欧州任天堂(ドイツ)
ITエネルギー委員会

欧州任天堂(ドイツ)は2022年4月、エネルギー消費効率をさらに高めるために、ITエネルギー委員会を設立しました。

ITエネルギー委員会は、IT部門、設備部門、購買部門、CSRチームのメンバーから構成されています。同委員会の目的は、職場内、クラウド上やサーバーのプログラムの稼働、サーバー施設の管理といった、あらゆる業務領域のエネルギー消費量を注視し、削減することです。

例えば、欧州任天堂(ドイツ)は同委員会の設立初年度において、エネルギー消費量を前年比でおよそ30%削減し、サーバーインフラを改善するとともに、データセンターの運用を合理化しました。また、プログラムの実行時間を業務時間と一致させることによって最適化しました。さらに、省エネ事務機器の導入と、それらの効率的な使い方に関する社員への指導にも継続的に取り組んでいます。

TCFD提言に沿った情報開示

任天堂は気候変動に関するリスクと機会の評価を実施し、気候関連の情報開示を検討するために設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿った情報開示を行っています。

詳細はこちらをご覧ください。

資源の有効活用

任天堂は、限りある資源を有効に活用し、環境への負荷をできる限り低減するため、資源効率に配慮した設計、リサイクルのしやすい包装材の選定、輸送時に使用する資材のリユース促進、商品を長く使っていただくための修理・サポートなど製品に関するさまざまな取り組みを行っています。また、オフィスにおいても廃棄物を削減しリサイクルを推進することで資源の有効活用に努めています。

製品関連

製品設計

任天堂は、ゲーム機や周辺機器の開発において環境配慮設計を実施しています。その項目として「資源の有効活用」を挙げており、製品1台あたりに使う資源を減らせるよう、部品や包装材の削減・小型化、印刷物や同梱物の削減などを通じて資源の節約を行っているほか、リサイクル時を考慮して、設計において複合素材※1の削減や分解性への配慮、適切な材料表示などを行っています。

例えば、「Nintendo Switch(有機ELモデル)」では、パッケージの中の製品配置を見直した結果、紙製のパッケージ材料をこれまでのモデルと比べて約15%削減することができました。Nintendo Switchについても、「Nintendo Switch(有機ELモデル)」と同じサイズのパッケージに切り替え、同様の資源節約につなげています。

製品における資源の有効活用に関して、以下も併せてご覧ください。

設計における環境配慮

※1 複合素材
「紙+アルミ」「紙+プラスチック」「金属+樹脂」など異なる素材を一体化した素材で、一般的にリサイクルが難しいとされています。
左 :
Nintendo Switchパッケージ切り替え前
右上:
Nintendo Switch(有機ELモデル)
パッケージ
右下:
Nintendo Switchパッケージ切り替え後
切り替え前と比べて、紙製材料を約15%削減。
各国における包装材関連の取り組み

海外子会社においても、輸送用の箱などの印刷物での再生紙の利用促進、輸送における発泡スチロールの不使用など、現地の状況に応じた環境対策を推進しています。

例えば欧州任天堂では2020年1月から、ゲームソフトと特典がセットになった一部の商品を包装するフィルムに、サトウキビ由来のバイオマスプラスチックを50%配合したリサイクル可能なプラスチック素材を使用しています。

商品輸送

任天堂は、商品の輸送時においても資源の有効な活用に取り組んでいます。

例えば、任天堂(日本)では、Nintendo Switchゲームカードの輸送に使用しているプラスチック製トレーの一部をリユースしているほか、商品輸送時に使用される木製パレットのリユースも実施しています。

また欧州任天堂は2022年、欧州で調達する輸送用ダンボールをすべてForest Stewardship Council(FSC:森林管理協議会)の認証付のより持続可能性の高いダンボールに切り替え、適正な方法で維持・管理されている資源から作られたダンボールを利用するようにしています。すべての輸送用ダンボールにはFSCラベルと適切な廃棄方法を示すためのリサイクルラベルが印刷されています。

欧州任天堂はほかにも、物流業者と協力して輸送用ダンボール箱を可能な限りリユースしており、輸送用に購入する新しいダンボールの削減につなげています。

修理・サポート

任天堂は、商品に愛着を持って長く使っていただくことは、地球環境保全の観点からも重要だと考えており、お客様からの修理のご要望に適切に対応するための体制を整えています。また、サポートサイトの充実を図り、お客様に対する積極的なサポート情報の発信に努めています。

例えば、任天堂(日本)では、商品の修理のお問い合わせ窓口として「任天堂サービスセンター」を設置しています。

「任天堂サービスセンター」では、修理サービスにおける改善や資源節約のための施策を行っています。Nintendo Switchを含む商品の修理において、基板ごと交換を行っていた対応を、もとの基板はそのままに基板上の故障した実装部品のみを交換する方法に変更するなどして、基板の使用数を抑制しています。このように修理部門においても、資源を節約するための工夫・改善を日々行っています。

また、修理におけるさまざまな情報の収集・分析を行い、設計や量産現場へフィードバックを行うことで、商品の改良、改善へ結びつくよう努めています。

そのほか任天堂(日本)は、ゲーム機を良好な状態に保ちながら長くお使いいただくための参考情報として、Nintendo Switchの修理内容から、故障につながりやすい事例を集めたページ「こんなときに故障するかも……」(日本語)をサポートサイトに掲載しています。海外子会社も、同様の情報をウェブサイト上で紹介しています。

リサイクル

任天堂は、役目を終えた商品や包装材のリサイクルを推進することも重要な取り組みであると考え、お客様に対して商品の回収やリサイクルに関する情報を提供するとともに、各国の事情に合わせた対応を実施しています。

米国任天堂
アメリカとカナダにおけるリサイクル

米国任天堂はアメリカとカナダでお客様を対象に、任天堂の商品にとどまらず、あらゆる電子機器を対象とするリサイクルプログラム「テイクバックプログラム」を実施しています。

このプログラムのもと、米国任天堂は、リサイクル対象品の送料を負担するとともに、R2※2認定のリサイクルのために、ビデオゲーム商品を米国任天堂に送る方法についての説明を提供しています。また、リクエストに応じて、米国任天堂がお客様に包装材を提供することもあります。資源が正しくかつ安全に取り扱われるように、米国任天堂が提携するリサイクル業者には、必ずR2認証を取得していただくよう、契約で定めています。

2023年は、お客様から3,400以上のリサイクル対象物品を受け取りました。重量ベースでの回収量は合計約1トンで、これらの物品に使用されていた素材の埋め立て処理を回避できました。

※2 R2
Responsible Recycling(責任あるリサイクル)。南北アメリカ全体に普及している電子リサイクルの規格。正式名称はResponsible Recycling ("R2") Practices for Use in Accredited Certification Programs for Electronics Recyclers。
欧州任天堂
欧州におけるリサイクル

欧州任天堂は、販売する電子機器製品が役目を終えた後に適切に処分されるよう、WEEE指令や電池規則など、欧州で適用されるリサイクル・回収規制をいずれも入念に把握し、遵守しています。そのため、電子機器を引き取り適切にリサイクルされるよう対応する、認定された第三者業者と契約を結んでいます。

また、欧州任天堂(ドイツ)は電子機器リサイクルに対する社員の理解を促すため毎年「リサイクル・デー」イベントを開催しており、社員が処分したい電子機器を各家庭から持ち寄ります。2024年のイベントでは約50kgの電子機器を回収し、認定された廃棄・リサイクル業者を通じて処分しました。

任天堂オーストラリア
オーストラリアにおけるリサイクル

任天堂オーストラリアは、任天堂の商品が安全で適切に処理されるために、自治体の電子廃棄物回収場の利用をお客様にお勧めしています。

また、任天堂オーストラリアの修理・サービスセンターでは、任天堂のすべての商品を無料で回収できるサービスを提供しています。修理のために修理・サービスセンターに送られた場合でも、小売店で交換された場合でも、廃棄物の発生や環境影響を最低限にするために、すべての任天堂の商品が任天堂オーストラリアの回収・再利用・リサイクルのプログラムに組み入れられるようにしています。

廃棄物排出量の削減とリサイクルの推進

任天堂は、資源を大切にする観点から、できる限り廃棄物を出さないように努める一方で、廃棄物の分別を徹底するなど、資源の有効活用に取り組んでいます。

任天堂(日本)では、各事業所に廃棄物・リサイクル資源の管理責任者を置き、適正な管理・処理を行うことができる体制を整えています。

海外子会社においても、適正な管理・処理を行うことができる体制を整えるとともに、決裁手順を一部電子化することなどにより紙の省資源化を図るなど、廃棄物排出量の削減を推進しています。

海外子会社のオフィスにおける環境関連の取り組みについては、「任天堂のCSRに関するQ&A:環境に関する取り組みについて」もご覧ください。

水使用量の削減

世界各地で水不足が問題となっており、水は今後ますます希少度の増す資源だと任天堂は考え、節水タイプの設備を導入する、雨水をためてトイレや敷地内の散水用に利用するなどの水使用量の削減と水資源有効利用を実施しています。

化学物質に関する取り組み

任天堂は、安全で環境に配慮した商品をお客様に届けるため、生産パートナーの協力のもと有害な化学物質を含まない部品の採用に取り組んでいます。

サプライチェーンにおける化学物質管理

任天堂は、独自の化学物質管理基準を設け、その基準を満たした生産パートナーと部品を、それぞれ「グリーンサプライヤ」「グリーン部品」と認定しています。原則として、グリーンサプライヤから調達するグリーン部品のみを、ゲーム機や周辺機器に採用しています。

グリーンサプライヤの認定

生産パートナーの生産拠点ごとに、任天堂が求める化学物質の管理システムが構築されていることを確認し、認定しています。生産拠点の管理基準や規制物質のリスクマネジメント手順などの書類確認だけでなく、必要に応じて、製造現場も確認しています。

グリーン部品の認定

生産パートナーから、部品ごとに、任天堂の規制物質の基準を満たすことを保証する「使用禁止物質不使用保証書」を提出いただいているほか、社内の専門部署において、その妥当性を確認し、認定しています。また、納入された部品が、基準を満たしているか、必要に応じて、定期的に化学分析により検査しています。

管理・規制対象の物質

任天堂は、有害な化学物質を「使用禁止物質」「使用制限物質」「使用管理物質」の3段階に分け、ゲーム機や周辺機器への含有を管理・規制しています。

  • 使用禁止物質
    関係法令などで含有が規制されている、または任天堂が含有不適切であると考える物質
  • 使用制限物質
    安全性や製品特性を考慮して、特定の製品に使用する場合があるが、その含有を制限する物質
  • 使用管理物質
    関係法令などで規制が検討されているなど、含有量を継続的に確認すべきと判断した物質

ステークホルダーとの協働

「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」という目標を達成するには、関わる人(ステークホルダー)との協力が不可欠です。任天堂は、社員の意識啓発や社内での活動はもちろん、生産パートナーや関係各国・地域当局、NGOなどともコミュニケーションを取って信頼関係を構築しながら、サプライチェーン全体での環境負荷低減やゲーム機における環境配慮に取り組んでいます。

サプライチェーンへの働きかけ

任天堂は、法令・社会規範を遵守するとともに、人権や地球環境への配慮に努めることを購買活動の基本方針としており、取引先の選定にあたっても法令、社会規範等を遵守し、人権や環境への配慮を重視していることを基準の一つとしています。

また、取引先に対して任天堂の方針への理解・協力を求めるために任天堂CSR調達ガイドラインを定めています。同ガイドラインの「地球環境の保全」という項目において、環境マネジメントシステムの構築・運用や、温室効果ガスの排出量削減および削減量の把握、環境保全への取り組み状況の開示、グリーン調達の遵守をお願いしています。

生産パートナーに関するCSR調達の仕組みの一環で一次取引先に対して送付している「取引先実態調査表」では、CO2排出量削減目標のほか、CO2排出量削減や環境負荷低減のための具体的な取り組みについて確認しています。主要な取引先に対しては任天堂製品の組立に関わるCO2排出量も確認しています。

欧州地域における「ゲーム機自主協定」の締結

任天堂は、EUおよびイギリスそれぞれにおいて、マイクロソフト、ソニー・インタラクティブエンタテインメントとともに「Games Consoles Voluntary Agreement(ゲーム機自主協定)」に署名しています。この協定は、ゲーム体験を損なうことなく、設計から廃棄に至るサイクルにおける環境負荷を低減し、よりよい設計を通じて省エネルギーや省資源を達成することを目的としたものであり、ゲーム機の消費電力や自動電源オフ、修理やリサイクル性などに関する要件を定めています。これらの要件は、署名3社と各国当局やNGOなどのステークホルダーとの対話を通じて定期的に再検討され、必要に応じて改定されます。「ゲーム機自主協定」は欧州委員会やイギリス政府により法的な規制に代わるものとして正式に認められています。くわしくはWebサイトEFFICIENT GAMING(英語)をご覧ください。

社内における活動・啓発

任天堂は、社員が環境意識を高く持ち、主体的に環境負荷低減活動に参加できるよう、各国・地域においてさまざまな活動や啓発を行っています。

日本国内の取り組みについては、「環境マネジメントシステム」もご覧ください。

米国任天堂
サステナビリティ委員会が追求する環境負荷低減

米国任天堂では、サステナビリティに関する取り組みを推進する新たな機会を追求することを目的として、社内のさまざまな部門から選ばれたメンバーで構成されるサステナビリティ委員会を設置しています。この委員会では、米国任天堂の事業全体および事業分野ごとの温室効果ガス排出量の割り出しやCO2排出量の抑制に注力しているほか、事業活動における使い捨てプラスチックやバージンプラスチック(再生素材を含まないプラスチック)の削減について検討しています。

また同委員会は、業務におけるCO2排出量削減を目指して尽力しており、ワシントン州レドモンドのオフィスと近郊の配送センターの購入電力を100%再生可能エネルギーで賄っています。食堂などでの天然ガスの使用によって発生するCO2を、地域の植林活動に貢献することで吸収し、バランスをとることを目指すカーボンバランスプログラムにも参加しています。

米国任天堂
グリーンチームを通じた環境や地域との関わり

米国任天堂では、環境に配慮した組織と職場という目標の実現に貢献しようとあらゆる部門から集まったボランティアで構成されるグリーンチームを設置しています。グリーンチームは、社員が職場や家庭で環境にやさしい行動を選択できるように、アイデアやひらめきを社員と共有する力強いコミュニティをつくることを目指しています。

2023年は環境をテーマにしたイベントやボランティアの機会の創出、オンライン勉強会の開催のほか、社員が環境に関する考えや疑問、地球環境に負荷をかけないためのヒントや提案について共有することができる意見交換の場を設けることにより、環境に対する意識の向上を図りました。グリーンチームが関わった活動には次のようなものがあります。

  • 社員が扱う電子機器リサイクルの実地イベント: 2023年は合計4.45トンの電子廃棄物を社員の自宅からリサイクル用に回収
  • 地域での植林活動、外来種の駆除ボランティア
  • 飢餓の緩和や食品廃棄物の削減推進を目的とするNPO主導のボランティアイベント
  • アースデイ記念行事(チャリティマラソン、米国の環境保護庁(EPA)主催のカーボンフットプリント計算コンテスト、持続可能性を高める行動を習慣化するための社員による宣誓)
任天堂オーストラリア
ナショナル・ツリー・デーの植樹イベントに参加

2023年7月、任天堂オーストラリアは地元企業やコミュニティグループからの参加者200人とともに、地元の市議会が開催したナショナル・ツリー・デーの植樹イベントに参加しました。市長を含む市議会のメンバーによる参加者への挨拶の後、イベントのはじめには訪問者を迎え入れて土地を清めるアボリジニの伝統的な儀式が行われました。

この植樹イベントは、地元の企業や団体、学校に対して、積極的に自然を大切にする人材の啓発、教育、採用と環境保護意識の高い次世代の育成を働きかけるための取り組みです。今回も、3,000ほどの樹木やその他の植物を植えることができました。

イベントに参加した
任天堂オーストラリアの社員